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Shina(科水でした)
Shina(科水でした)
novelistID. 3543
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そういう真実

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俺、門田京平は悩んでいた
何をかと言えば恋に悩んでいた
どう悩んでいたかといえば、恋した相手が男だった
先に言っておくが、俺はゲイでもバイでもない
普通に女の子が好きだし、初恋もファーストキスも勿論女の子だった
彼女だっていた
だから、戸惑っていた
同性をかわいいと思い、あまつさえ守ってやりたいとまで感じてしまった自分に
例えば自分より小さかったり、中性的な顔付きだったらまだわかる(かもしれない)
だが、俺がそう思ってしまった相手は俺より背が高く、片手で教卓やサッカーゴールを投げることが出来た
そう、俺が好きになったのは平和島静雄という学内でも有名な問題児の片割れであった
1ヶ月悩んだ
嘘かと思ったのだ
明らかに自分より強くて背の高い平和島を恋愛の意味で好きだなんて
散々悩んだ
俺はそういう方面で頭が固い
自覚はある
だか、さらにもう半月悩み続けて結局認めた
仕方がない
俺は平和島静雄が好きだ
ホモでもゲイでもいい
平和島静雄が好きなのだ
そう、腹を括った
それが最近の話である


そういう真実


屋上に行ったら人が倒れていた
慌てて近寄ると、見知った金髪で、俺は余計に慌てた

「平和島!?大丈夫か?」
「あ、かどた…?」

屋上の隅で体を丸めていたのはクラスメートの平和島だった
横にしゃがみ込んで顔を覗き込むとひどく顔色が悪い

「どうした?また折原か?」

真っ先に喧嘩相手である折原が浮かんで口にすると平和島は嫌そうに顔を歪めた

「嫌な名前だすんじゃねぇよ」
「あ、悪い」

入学からたったひと月余りでこんだけ嫌いになれるってすげえよな
そう思いながら謝ると、別に良いとくぐもった答えが返ってきた
あんまり具合が悪そうで、本当に心配になる
3階から落ちてもトラックに轢かれても無傷だという男が、目の前で顔を真っ青にして丸まっているのだ
心配しないわけがない
こんなとこで転がっているよりも、保健室で休むか早退したほうが良いんじゃないだろうか

「平和島、保健室行け。動けねぇんなら連れてってやるから」
「へーき・・・ただの生理痛だから」
「は!?」

せ い り つ う ?

平和島の口から出てきた単語に俺はギョッとする
生理痛ってあれだろ、女が月1でなる女性特有の



「おまえ、女だったのか・・・?」
「ぁあ!?」

呆然と思わず漏らした言葉に平和島の眉がつり上がり、不機嫌な声が上がった
上がるが正直、そんなことに構ってはいられない
若干命の危機だが、この際どうでもよかった

俺は、平和島が好きだ
男を好きになったのかと悩んだこの1ヶ月と半月
なんだ、この落ち
まじで、なんだ

はああああ・・・

思わず溢れた溜め息に平和島が怪訝な顔をする
それはやっぱり命の危機だか、この際、ほんとどうでも良い

「なぁ、平和島」
「なんだ」
「好きだ」
「は!?」

1ヶ月半悩んだ思いはあっけない程簡単に言葉になって零れた
なんだ、別にかわいいと思っても守りたいと感じても何ら不思議はなかったのだ

「好きだ、平和島」
「は、え・・・な・・・っ」

なんで男物の制服着てたんだとか、なんで一人称“俺”なんだとか、色々訊きたいことはあるんだが、まあいい
今は

「平和島、好きだ」

三度告げるが返事はない
だが、頬を真っ赤に染めた平和島はただの可愛い女の子だった


end