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漂流をしている。

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朝は船の汽笛と共に起きる。
窓を大きく開けて、その日の天候と海の様子を確認する。
この海の様子を確認するのが一番大事だ。これによってその日の用事が変わってくる。
確認が終わったら、窓辺に流れ着いた瓶を回収する。
中に入ってる書類を丁寧に取り出して大きくて分厚い辞書で押しつぶす。
そうしたらケトルにお湯を沸かし、朝食を作る。
朝食が出来たらはしごを上って屋根の上へ。
屋根の上で朝食をとりながら、働き者の鳩たちが持ってきてくれた新聞を読む。
自国の出来事、近隣諸国の事件、世界で起こっている様々なこと、それに株価。
変わったことや変わらなかったことを確かめて新聞を折りたたむ。
鳩たちに、また明日もよろしく頼むなと声をかけて屋根から下りる。
くるると了承する声が聞こえるのにじんわり頬が緩んだ。

食器を片付けたら、仕事の時間だ。先ほど回収した書類に向き合う。
自国や他国から送られてきた書類に目を通し、必要ならば連絡を取り、問題なければサインする。
インクがきちんと乾いたことを確認して、丸めて瓶に入れる。
きつくコルクでふたをして、窓から海へ。
この時大抵太陽は空高く昇っていてそれで自分は昼を知る。さて紅茶でも飲もうか。
軽く昼食をとったあとは趣味の時間だ。
刺繍をしたり、本を読んだり、窓辺で育てている花の世話をしたり、編み物をしたり。
そのようなことをしていると、次第に部屋がオレンジに染まる。
大きなオレンジの光が向こうの空へと消えていくまでじっと眺める。
太陽が消えてしまえばあとは暗くなるだけである。夕食をとって床につく。
そうして眠り、また、朝を迎える。

作品名:漂流をしている。 作家名:ouoxux