二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

例えばあの日に戻れるのならば

INDEX|1ページ/1ページ|

 
今日もまた、いつもの喧嘩が始まった。

「いーざーやー!!」

「うわっ!ちょっ、標札は勘弁。俺シズちゃんと違って普通の人間だし!!」

「俺も普通の人間だー!!あと、その呼び方やめろーー!!」

平和島静雄。
池袋の喧嘩人形と呼ばれる存在。
俺、折原臨也とは高校からの同級生ではっきりいうと初めて会ったときから気が合わない相手だった。

「(あぁ、今日のシズちゃんはいつにもましてウザいなぁ…。)」

ポケットに手を突っ込んでケータイで時間を確認する。
時刻は4月1日午前0時7分

「(まぁ、シズちゃんをからかうのは悪くないんだけどね)」

逃げていた足を止め、くるりと静雄の方に向き直る。
その動きにあわせ静雄も動きを止めた。

「ねぇ、シズちゃん。」

「あぁ?なんだよ」

「俺ね、ずっとシズちゃんに言えなかったんだけど…」

「んだよ、早く言えよ」

いら立ちが隠せない静雄に俺は静かに言った。

「俺ね、シズちゃんの事が好きなんだ。ずっと昔から」


『カランッ』

乾いた音とともに標札が静雄の手の中から落ち、コンクリートの上に落ちた。

「い、いまなんて?」

「だーから、シズちゃんの事が好きだって言ってんの!」


沈黙した空気が流れた。
しばらくして沈黙を破ったのは静雄の一言だった。

「お前の事は嫌いじゃないが今は付き合えねぇ…。わりぃ」

すごく申し訳なさそうな顔で謝る静雄を見て俺はおかしくなった。

「(うわぁー、シズちゃん本気?マジで謝ってんの?ウケるんだけど…)」

「い、臨也?」

「何?」

「お前、涙…」

「えっ…」

ホントだ。
俺、泣いてる…。
なんで?なんで俺泣いてんの?
別にシズちゃんにふられてもかまわないじゃないか
だって、だって好きじゃ…好きなんかじゃ…

気づいてしまった。
自分の気持ちに…
おどおどしているシズちゃんの胸に体を寄せた

「俺、シズちゃんが好き…」

最初は本当に冗談だったのに。
嘘にして口に出したら気づいた
こんなにも傷つくのだったらわかりたくなかった



こんな気持ち、俺は知らない…