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日常茶話1

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考えてみると言った手前試しにサザビーの調整に連れて来たが…やはり目つきが変わるな。
正直面白くない。
今もナナイと話をしながらこっちを見ている。コックピットを開けて外に出る。

「後は任せた。」
「はい。」

怪訝そうな顔で降りてくるのを見ている。

「帰るぞ。」

眉を上げて無言で付いて来る。

MSに近づけると忘れられそうな気がする…。
大人気ないと言われても嫌だ。だがまた具合悪くなったら…。
見るだけならいいか?うーん。

部屋に戻ると着替える前に温室に行ってしまう。
毎日律儀だ。

「今日はわたしも行く。」
「珍しいね。」

暗がりの中うつ向き気味に歩くのを少し離れて付いて行く。
温室に入って真直ぐ鉢に近づき置いてある絵日記を読む。穏やかな顔だ。
本当に子供が好きなんだな。

「アムロ。」
「何?」

じっと見る目が澄んでいて何故かうろたえる…。

「MSの件だが…。」

心なしか目が輝く。じっと見られて言葉が出ない。

「えー…。」

頭の中を色々な言葉が駆け巡る。

「…駄目だ。」
「そう…。」

と言って目を伏せる。そんなにMSにさわりたいのか…。
でも嫌だし…。また色々な言葉が駆け巡る。とくすくす笑われる。

「今の顔…。そんな情け無さそうにしなくても…。」
「そんな顔してたか?」
「まあね。そんなに後ろめたいなら子供たちと会う時間増やしてくれる?」

またまた色々な言葉が駆け巡るが。搾り出すように

「わかった。」

と言わされる。何か嵌められた気分だ…。



実はすでにナナイさんから今回は大佐の機嫌が悪くなっているので諦めてくださいと言われてた。

「そんなにあからさまに嬉しそうにMS見ているから機嫌悪くするんです。」
「そんなに嬉しそうにしてますか?」

ま、確かにMS見ると触りたくってうずうずするけど。

「そわそわしてます。」
「出来るだけ見ないようにはしてるんですが…。」

どこを見てもMSがあるのでつい視線が停まってしまう…。
見覚えのない形で珍しいので漫然とみてしまう。
気がそぞろになってやつの気配が剣呑になってきたのに気づくの遅れたし…。

「もっと頭を使ってください。」
「はぁ…。」

頭使うの苦手なんだよなあ。何か違うストレス解消を探さなきゃいけないか…
とコックピットが開いて予定より早く降りてくる。

「ご機嫌斜めですね。」あーあ…。

車の中の状態でシャアが何か言う前からこれは駄目だなと思っていた。
すごくぴりぴりしてる。失敗したな。

部屋に戻って早く温室に行かないと成り行きによっては行けなくなるかもしれない。
鞄を置いてそのまま出ようとすると
「わたしもいく。」とついてくる。

温室まで来たのは何か言いたいのだろうと用事済ませてからじっと見ると珍しく言いよどんでいる。
口八丁手八丁のくせに。

言いたいことの見当はついてるので理屈で通すかなと目を逸らさずにみるとシャアのほうが視線を避けるようにあらぬ方向を見て

「駄目だ。」と言う。珍しくストレートに来たな。

目を伏せてどうやってストレス解消しようかと考えてるとどんよりした気配が漂ってくる。
顔を見るとなんとも言いがたい顔をしていた。うなだれてる大型犬みたいだ。
つい笑ってしまっていじけられたが後ろめたいようなので交換条件を出した。
いやいや承諾してくれる。

「ありがとう。」

まだいじけてるので引っ張って部屋に戻った。
面倒な人だ。

2007/10
作品名:日常茶話1 作家名:ぼの