二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ボンゴレさんちの猫ファミリー。

INDEX|1ページ/1ページ|

 
見つけたのは、弱々しい小さな小さな子猫。
 古い樹の根元、うろの中で震えていた。

 彼は細心の注意を払ってそうっと抱き上げ、懐に抱えて連れ帰った。










「捨てて来い」
「嫌だ」

 メイド辺りから聞いたのだろう。
 ジョットの”拾い物”の話はすぐにGの耳にも入った。
「此処は公園じゃねーんだぞ」
 見下ろすのは彼の膝の上の小さな毛玉。
「良いじゃないか、猫の一匹くらい」
 二十歳はとうに越えている筈なのだが、童顔と相俟って口を尖らす様は幼く見える。
 Gは思わず溜息を落とした。
 子猫はというと、毛布とタオルに包まっても尚ぷるぷると震えている。
「見たところ、まだ目も開かねーくらいか。母猫はどうした」
「居なかった」
 その言葉にGも眉根を寄せる。
 それが意味するのは、野犬にでもやられたかそれとも育児放棄されたか。
 ジョットにも子猫にも血の臭いはしない。ならば後者か。

「一人ぼっちだったんだ」
 ぽつりとジョットは呟いた。
「周りには生き物の気配なんて他に無かった。こんな小さな命が」
 たった、一匹で。

 淋しいと言っている気がした。
 温もりが欲しいと泣いている気がした。

 ジョットには捨て置く事が出来なかった。


「…ミルクはもう与えたのか?」
「いや、これからだ」
 屋敷に戻って直ぐに会ったメイドが、猫の扱いに慣れていた。
 今はそのメイドに頼んで子猫用のミルクを作って貰っている。

「最後まで責任以って、てめえが飼えよ」
「! ああ!!」

 絶対にオレが育ててみせると言い切った彼は、嬉しそうに毛布ごと子猫を高く掲げた。
「良かったな、ツナ!」
「…何でマグロだよ」
「知らない。浮かんだのがこの名前だった」
 もうちょっとマシな名前があるだろうに。


 そして、ミルクを持って来たメイドに「子猫に乱暴は駄目です!」と怒られた。





 後日、新たなファミリーの仲間入りに興味を示した暇人共が、付けられた名前を聞いて揃って微妙そうな顔をしていたという。