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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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【完全読み切り】鉱

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「僕は、まだまだ未熟なのかなあ」
 さびしそうな笑顔で、西の方角を見る。

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 小さかった頃、彼の父は、磁鉄鉱の採掘を副業に行っていた。ジムリーダーの仕事だけに専念してはいなかった。彼曰く、「ときどき見つかる掘り出し物が面白いんだ」ということだった。地下おじさんと一緒じゃない、と彼が尋ねると、「そうだ、だってあいつは俺と兄弟なのだから」と答えた。
 よく彼も掘り出すところに行った。とはいえど、彼はまだ子供だったから、危険な採掘には加われなかった。そのとき、ゲンという青年と一緒に遊んでいた。彼の素性は明かされていないが、危ない人でないということは、彼の父の勘からはじき出されていた。ゲンという青年に教わりながら、彼はポケモンも学んだ。
 だが、彼は鋼より岩に興味を持っていた。岩を見れば、そこからその時代がどうであったかがよくわかる。年と共に理論的になっていった彼は、父とは違い、化石採集や地層調べに熱中した。そして、彼はしょっちゅう化石を採掘していたが、それは自分の秘密基地に隠していた。

 ある時、化石を復元できるというニュースが入った。彼は、そのニュースが発表された町に、秘密基地に隠していた化石を持ち込んだ。その町はクロガネシティといった。
 昔から続く、炭鉱の町で、彼は見せた化石を復元してもらえないか。と尋ねた。費用がかかるのなら、そこの炭鉱で働く、とも言った。すでに父の教えで、採掘作業は手慣れていた。人の安全を気にかけることができるほどに。

 炭鉱で働いてためた額で、彼は、持っていた化石を次々に復元してもらった。ズガイドス、リリーラ、アノプス、オムナイト、カブト、プテラ、そして、タテトプス。
 この時、彼は、タテトプスだけは、彼の父親にあげた。彼の父親があこがれていたポケモンだったからだ。
 彼は、復元されたポケモンと共に、さまざまなポケモンたちと戦って、トレーナーと戦って…そうこうしているうちに、炭鉱で言われた。
 
 「もう君は、この町で一番強い。ジムリーダーになってくれないか」

 自分がまさか父親と同じ職に就くとは、考えもしなかった。でも、父親に認めてほしいという気持ちがあった。自分はいつも、父親の背中を見て育ってきたのだから。