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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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【完全読み切り】家

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「どこにいるのかしらね…手紙ぐらいよこしなさいよ」
 
 #
 
 「レッド、起きなさい!」
 母親に起こされ、彼は一日を始める。それがいつものことだった。

 だから、今日も、呼びかけよう、として、彼女は思いとどまる。

 「あの子は、いないんだった…」

 彼の実力が花開き、彼はポケモンリーグチャンピオンになった。しかし、彼は、そのあとも丹念を摘むために、どこかへ旅立ってしまったのである。
 置き手紙にはこうあった。

 <いつか戻ってきますので、心配しないでください。また、僕の友人達にも、よろしくお伝えください。>

 …彼は、いつからこんなに成長したんだろう。
 昔は無茶ばっかやって、よくしかっていたものだったのに。

 彼が、ロケット団を壊滅させたトレーナーのうちの一人になって、友人たちとそのあとも競い合って…。

 彼の友人の一人は、現在トキワジムでジムリーダーをやっている。
 彼の友人はみんな同世代でまだ未成年だから、どう考えても、成人と並ぶというすごい実力者であるわけだ。

 その少年とは隣同士だから、幼いころから知っている。著名な博士の孫であるほかは、自分の息子と変わらなかった。仲良くいろんな所へ行っていた。そして、仲良くしかられていた。そんな彼も、今では、かしこまった、大人びた姿になる。

 みんな成長した。そう考えると、なんか無性にさびしい気分になる。本当は喜ばなきゃいけないのに。

 今日も、誰もいないのに、彼女は「おやすみ」といった。