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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
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【完全読み切り】極

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「ずっと、目指していたんだ。そして」

 …どんなに強くなっても、作戦であなたに勝っても、僕はまだ、あなたには敵わないんだ。

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 僕は父親にずっとバトルを教わってきた。彼がジムリーダーになる前の話だが。
 彼は世界リーグでも優秀な成績を収める男だったが、彼本人は全く納得していないようだった。彼はずっと、「自分に妥協はできない。どうしても、自分に嘘はつけないんだ」と言っていた。彼はノーマルタイプがついたポケモンしか使わなかった。彼は、基本に忠実に生きることをモットーにしていた。彼の忠実さとは、それはもう、ただ日々の修練のみが自分を強くする、という、彼の息子である僕がきいても、自分にはできないと思うしかなかった。彼には、どんな小手先のテクニックも、彼には通用しなかった。…だが、昔からちょっとばかし小賢しかった僕は、彼に、どうしても、テクニックで勝ちたかったのだ。真っ向勝負で勝てるようなわけがない。彼は、ずっとトレーニングを積み続けている(それこそ僕の生まれる前から)。
 彼に勝つために、ありとあらゆるパターンを考え、また、いろいろな相手と対戦してきた。

 ホウエン地方に彼がジムリーダーとして赴任した年、僕らもジョウト・コガネのマンションを出て、ホウエン地方はミシロタウンの新居に引っ越した。
 自分の連れていたポケモンと旅をするなら、知らない地方のほうがいいっていうのもあったので、むしろうれしかった。というか、自分の故郷にあんまり好意は持っていなかった。ホウエン地方を旅して様々なトレーナーと戦っていくうちに、父親の強さをさらに実感した。自分のポケモンに対してどれだけ自分との気持ちの調和ができるのか、それがとても重要であるということ、そして、父は、それを意識せずにできること。

 彼と戦ったのは、8番目のジムバッジをかけた戦いだった。

 そして、その戦いは、最後は僕の機転と覚悟によって、ジムリーダーにもなった、世界で強いトレーナーの一人に勝ったのだ。

 でも、彼にはまだかなわなかった。彼の強さは、確かに、本物だった。

 愛する人を守るためでも、男としての高みに立つためでも、…複数の信念の綜合のもとに、彼の力はあるのだった。