a hose and a queen
「後悔しているとでも言うのか?」
まだ少年だった頃のあの男を、こちら側へ引き込んだことを。
山本の気配がドアの向こうに消えて暫く、独りごちると床に落ちたボルサリーノを拾い上げ、縁を払った。そうして一人掛けのソファに戻るとどさりと体を落とした。
……後悔などしていない。全ては必然だった。
『俺たちには時間がなかったんだ』
そう、時間が無かった。
リボーンはボルサリーノをぱさりと顔に乗せた。そうしてスツールに両足を乗せ腹の辺りで両の指を組み、深い息を一つ吐いた。
2008.7.28
作品名:a hose and a queen 作家名:gen