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You and The Night and The...

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きみをすきになりたい

と、喘ぐように雲雀が繰り返すのを、山本はやるせない気持ちで聞いていた。
暗い部屋で、腕の中の雲雀は、かわいそうなほど震えている。泣いているのだ。
山本はつんと鼻の奥が熱くなるのを感じる。
(なんでヒバリが泣かなきゃいけないんだ)
そう思いながら腕の中で嗚咽を漏らす青年の細い肩を抱きしめた。
ひと月ほど前に、同じようにして抱きしめた男の肩を思い出す。
(こんなに好きあってるのに、どうして別れなきゃいけないんだ。どうして泣かなきゃいけないんだ)


あの日、あのとき、赤ん坊にあんなことを言わなければ、僕はまだあの人に恋をしていられただろうか。
するすると頬に涙を伝わせながら、雲雀が言う。
山本はラグにぺたりと尻をつけて、ローテーブルに肘を突いた雲雀の頭をそっと撫でた。
「恋するななんて誰にも言えねえ。アンタがどれだけあの人を好きでも、それを咎める権利なんて誰にもねえよ、ヒバリ」
雲雀は何も言わずにテーブルに突っ伏した。
作品名:You and The Night and The... 作家名:JING