告白
僕はそう叫ぶ。
そうしてすぐに僕は静雄さんに背中を向けて走って逃げた。
息が辛い。いつもパソコンばっかりしてて鍛えてないないからダメだなぁ。
こっちに来る前にちょっとは走るべきだったかも。ここじゃ排気ガスだらけだから走っても意味がないかもしれない、ごめんなさい池袋。なんて思いながら逃げる。
何にかって、
「待てこらぁぁああ!!!」
後ろからあり得ないスピードで追いかけてくる静雄さんから。
告白しようと思ったのは昨日だった。
だって今日は僕の誕生日だったから。
そんな日くらい勇気出していいかもしれない。そう思った。
でも怖かったからこんな行動をとった。
当日、僕は静雄さんを探して静雄さんとトムさんを見つけてから取り立てのためにマンションに入っていくのを見てエレベーターに向かう。
そのエレベーターが四階で止まるのを見て、四階なら大丈夫かと思ってまた外に出る。
外に出て四階の廊下を見れば、二人があるいていて、僕は大きく息を吐いた。
「静雄さん、好きですーー!!」
こんなに大きな声を出すなんてなかなかないから思わず噎せてしまう。
そして息を整えてから静雄さんの方を見れば、驚いた顔をして僕を見ていた。
……と、届いちゃった?
いやそりゃ告白をしたかったわけだけど吐き出したかっただけでもあって……つまり、静雄さんに聞こえてしまったことに気付いて僕はやけに冷静になった。
何をしてるんだ僕は!
だから慌てて逃げてしまった訳なんだけど
ドスン
って後ろから大きな音が聞こえて思わず足を止めて見れば、そこにはさっきまで四階にいたはずの静雄さんがいた。
え、ちょ、ま、え? まさか四階から飛び降りてきた?
上見たら呆れた顔のトムさんしかいない。
慌ててまた静雄さんを見たら、おかしいことに下のアスファルトが大きく凹んでる。
いやいやいや待って。僕、殺されちゃう?
さぁ、と血の気が引いていったとき、静雄さんが
「竜ヶ峰ー!!」
と僕の名前を読んだから我に返ってまた走り出した。
捕まったらヤバイ!!
足はすぐに動いて走り出した。
死にそう。
真っ先に思ったのがそれだった。
静雄さんは僕を追ってくる。ずっと。
さっきなんて本当にヤバかった。微かに静雄さんの指が触れた気がした。
でもすぐに静雄さんが入れない狭い道に逃げ込んだから助かる。でも静雄さんなら狭い道ですら広くしそうだから油断できない。
少しだけ休んで僕はまた走り出す。
なんでこんなことになってんだろ、なんて軽く涙が出そうだった。
やっぱり気持ち悪いって思われたんだろうな。だから怒ってるんだ。だから追いかけてくるんだ……
掴まったら僕、殺されるんだろうか。いや、静雄さんはそこまでしないって知ってる。
いっそのこと殴ってもらってこの想いを消してもらおうか。
あぁ、涙が止まらない!
「見付けたぞ、竜ヶ峰ぇええ!」
「ひっ」
泣いたままで振り返ればあんまり息を切らしてない静雄さんが立っていた。
……ダメだ、もう捕まる。
でも!
やっぱり走って逃げてしまった僕。怖い、怖いんだ、静雄さんに否定されるのが!
「俺も好きだぁーっ!」
……え?
足が止まる。
今、何て言った? 何て言われた?
息を吸って、吐く。今のは僕が言われたい言葉の幻聴?
ゆっくり振り向けば目の前にはもう静雄さんがいた。
「俺もお前が好きだ。だから逃げるな……泣くな」
「し、ずおさ……」
「だから泣くな!」
ゆっくりと静雄さんの腕が僕の背中に回る。僕はすがるように静雄さんに抱き着いた。
- end -
ピクシブで書いた告白の長いバージョンです、本当はこれ。でも漫画無理だった。
静帝本当好きすぎる。