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ワキ_ワキ子
ワキ_ワキ子
novelistID. 6747
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大人の階段は無理矢理登らされました。

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「みてみて!シズちゃんにプレゼント!」


昼休みの来神高校屋上で臨也が「プレゼント」と言って差し出したものは、凡そ高校という環境の中では異質なもののように静雄には思えた。


サイドに人差し指を通し、眼前に出されたのは静雄がどう見繕ったところで女性用の下着。
ショーツだ。
加えて言うならサイドが紐でフロントは布よりもレースの方が多い。色は白。
高校生にはこれは流石に早いだろうと思えるものだった。
おま…これをどの面下げて買ってきたんだよ…と、口には出さずに胡乱げに見る。
静雄にネット通販という概念はない。
それを受けて臨也は事もなげに

「シズちゃんに似合うと思って」

本日の雲ひとつない青空の如く清々しく言ってみせた。


似合うと思って、と好き合っている異性から言われれば悪い気はしないので、静雄はとりあえず受け取って検分をする。
が、ある部分を見て静雄はピキリと固まり、口に銜えていたストローのみを残しパックジュースを落とした。
中身はほとんど入っていなかったので零れる事はなかったが、そんな事はどうでもいいと思えた。

「て、てててて手前っ!ふ、ざけんなよ!何だこれ!」

受け取ったショーツを力のままアスファルトに叩きつける。
物が布なので流石にめり込むことはない。
そのショーツはクロッチ部分が縦一直線に穴が開いていて、裂かれている部分の布地の処理がきちんと行われていた。
臨也がわざと裂いたので無いことがわかる。
既製品。
所謂オープン下着というやつだった。
クロッチ部分に穴を開けられているということ事態、静雄には不可解だったが更にはその穴の上をなぞる様に、これもやはり縦一直線に三つ編み紐が縫い付けられていた事も訳が分からなかった。
静雄の混乱を余所に臨也は「穿いてくれる?」と聞いてくるので、静雄は光の早さで即答する。

「断る!」




えぇー、とごねる臨也に、死ね!まじ死ね!手前のそういうところが嫌いだ!と静雄の応酬が続いた。
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴ると、臨也はひとまず諦めたらしい。

「分かったよ。もうシズちゃんのケチ」

そう言いながら手招きする。
静雄はそれを受けて、先程のことがある為若干警戒はするものの臨也に歩み寄る。
臨也と静雄はクラスが違うので昼休みの終わりは毎回、キスをして別れていた。
ちゅっと音をたてて唇を吸われる。
いつも通りに施されるキスに静雄が安心すると、臨也は静雄の身体に腕をまわし抱き込む体勢をとる。
キスをしたままで静雄の肩がビクリと震える。
臨也の片腕は抱きしめたままだったが、もう片腕はあろうことか静雄のスカートの中に侵入に侵入してきたのだ。
ヤバい…!と静雄が思った時はもう遅く、臨也は器用に静雄の穿いていたショーツを取り上げて、サッと身を躍らせる。
静雄の攻撃圏内から外れる為に。

「いぃーざぁーやぁーっ!手前っ…!」

ノーパンになってしまったことで、その場に座り込みながらも静雄は臨也に怒声をあげる。
しかし羞恥から顔は真っ赤で身体は震え、目は潤んでいては声にドスが利いていようが臨也を怯ませる効果はてんで無かった。
多分この状態では臨也以外にも効果はないのだろう。

臨也は手に持った静雄の脱がせたてショーツを見せつけるようにヒラヒラと振ると、そのままズボンのポケットに仕舞いこむ。

「…あ…」

静雄の顔に絶望の色が浮かぶが、臨也はそのまま扉まで移動してドアノブに手をかけると

「じゃあね、シズちゃん。放課後に取りにおいで。」

ニコリと嘘くさい笑顔を貼りつかせたまま扉をくぐり、階段を降りていった。

臨也は知っているのだ。
今日の5限、6限の授業の単位が静雄は足りていない事を。

出席するしかない。するしかないけどノーパンのまま授業ってどんだけ痴女だよ…。
殺す、臨也まじで捻り潰す…。

座り込んだまま心中で呪いの言葉を吐きながらフルフルと震える静雄の視線の先には、事の発端である投げ捨てたオープン下着がぽつんと落ちている。

「布が無い」より「布が有る」を選んだ静雄は白のショーツを手に取る。

「大丈夫…穴が開いてるっていっても普通は見えない…。よっぽど下からスカート覗いてくる奴以外見えない…」

見えない、見えない…と繰り返すことで自分に言い聞かせながらショーツを穿き、サイドの紐をリボンに結んだ。