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世界の中心で〇〇を叫ぶ

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コペルニクス的転回の本質とは、物理的なものではなく、もっと精神的なところにある。
勿論、地球が自転しているということを前提として今日の文明は形成されており、そこに疑う余地はない。
ただ精神的なところ、つまり平面上の生き物であった人間が球体の上に降り立ったという転回は、それ以上のインパクトを当時の人々にもたらしたのではないだろうか。
それは世界の重心の移動だ。
神の作った箱庭という絶対的存在であった以前と比べ、誰もが世界の中心になってしまったのだ。


さて、ここに平和島静雄という男がいる。折原臨也の天敵である。
二人は互いを世界で唯一の存在と互いのことを認識している。
唯一、本気で殺したい相手、ということである。


殺すためには自分の立ち位置とその身体の状態を、相手への攻撃に最も有利な状態に保たなくてはならない。
相手を強く観察しなくてはならない。
相手を認識しなくてはならない。
殺す瞬間、それは自分よりも相手の存在を強く意識する瞬間。
その一瞬だけ、殺す者の世界は霧散し相手に向かって収束する。
常に殺しあう彼らの世界の中心は、いつだって互いの居る場所なのである。



それはコペルニクスへのアジテート。
作品名:世界の中心で〇〇を叫ぶ 作家名:karimu