銀魂/ログまとめ/万事屋
【悲しい花火】
どどっどどっどっ、バチバチバチバチバチッ、どんっどんっ、どんっ、どどんっ。
何秒遅れかはわからないが、重い音がかぶき町まで届く。音が聞こえ始めて、万事屋の三人は音する方角の窓に駆け寄った。
「………」
「………」
「なんでアルか」
三人がのぞく窓から見えるのは、輝くネオンと見慣れた町並み、そして、ネオンに照らされたいつもの夜空だった。
どどっどどっどっ、バチバチバチバチバチッ、どんっどんっ、どんっ、どどんっ。
花火はまったく見えぬのに、重い音だけが立て続けに聞こえる。
「ふぐぐぐ…なんで見えないアルか!」
「…残念だね」
三人はあきらめのため息をふうとつくと、食卓にもどった。今日の夕食は特売の鮭を焼いたものだった。
どどっどどっどっ、バチバチバチバチバチッ、どんっどんっ、どんっ、どどんっ。
焼き鮭を食べる。
飯を食べる。
たくあんを食べる。
味噌汁をすする。
「…………」
どどっどどっどっ、バチバチバチバチバチッ、どんっどんっ、どんっ、どどんっ。
「………」
「……なんか…その…」
どどっどどっどっ、バチバチバチバチバチッ、どんっどんっ、どんっ、どどんっ。
「ぐがが、イラッとするアル!」
「見えもしねぇのに、どんどんバチバチうっせーなオイ!」
こうして、イラつきながらの夕食が終わったのだ。
作品名:銀魂/ログまとめ/万事屋 作家名:ume