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関ヶ原でニーアパロ。

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吉継の体が血だまりに沈む。
「刑部? 刑部!」
驚愕した三成の声が響く。
三成は吉継の体を抱き起こし、必死に声をかける。
「……何だ、三成。泣いておるのか……」
吉継の声は弱々しく、今にも途絶えてしまいそうだった。
彼の体から流れる血が地面に広がり続けている。
「刑部……喋るな。血が、血が止まらないっ……!」
涙を流す三成の顔に、吉継はそっと優しく手を添えた。
「世を恨む我が、何故友を欲したのか……今解った。この世界は一人でいるのには寂し過ぎる……時間が長過ぎるのよ……」
「刑部……」
「世を恨むのに、寂しいとは……全く、下らぬ話よ」
自嘲気味に呟いた後、顔に触れていた手がバシャリと血の中に沈んだ。
「嫌だっ……刑部……! 逝かないでくれ! 私を一人にしないでくれっ……!」
その様子を黙って見ていた家康は、静かに武器を下げた。
「三成、もうやめよう」
家康の身勝手極まりない言い分が、脆くなっていた三成の心を崩壊させた。
「……やめよう? やめよう? やめようって? 秀吉様と、刑部を殺した貴様に、そんな自由があると思っているのか?」
それでも家康は食い下がる。
「やめてくれ! 今ならまだ!」
「もう遅ェンだよ! 何もかもッ!」
作品名:関ヶ原でニーアパロ。 作家名:はるぽん