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あなただから

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正臣の携帯が鳴ると、沙樹はその場から席を外すことが多い。
相手が誰なのか分かっていることもあるが、盗み聞きをしているような気分で、居心地が悪いからというのも理由だ。
この日も例外ではなく、沙樹は正臣から少し離れたところに座っていた。

電話を終えたのか、正臣は沙樹の方へと足を向け、その隣に腰を下ろした。
そしてそのまま、沙樹の肩に頭を預けるように体を倒した。
「どうしたの?」
「んー、充電」
「充電?」
その例えに、沙樹はくすくすと笑う。
何かあったことは想像出来るが、その何かを沙樹は追究したことはない。
そういった行動は、正臣の負担にしかならないと知っているからだ。
「そう。沙樹を充電。さっきの電話で俺の充電切れたから」
「なにそれ」
言いながら、更に沙樹の方へ正臣はもたれかかる。
その甘えるような仕草に沙樹は微笑む。
「もう甘えんぼだね、正臣は」
「沙樹限定で。他の人にこんなこと、したことないし」
「そうなんだ」
「そうなんです」

そんな他愛のないやり取りに、二人は顔を見合わせて笑った。
作品名:あなただから 作家名:香魚