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喉が渇くんだ。お前の涙をくれよ。

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鉢雷
「きっとありゃ私に気があるよ」

発端は私の一言だ、滝夜叉丸みたいに少しアホになってみただけだいや失礼、彼がアホだと言っているわけではないのだけれど。
少しだけ維持をはって周りの女子環境を雷蔵に話しただけだ、女子環境と言っても私に言い寄ってくるような女は居ないし、同じ顔でいるのに雷蔵の周りにはたくさん女の子がいるから。(きっとこの顔で優しければよかったんだろう)
そうしたらどうだろう、雷蔵は私から目を話してさっさといってしまった。何か悪い事でもしただろうか。

「そりゃ、鉢屋先輩が悪いですよー」

そんな事を乱太郎にもらしてみると彼はこう言って即答だった。僕は何が悪いんだか解らなくて詳しい話を乱太郎に話させた。

「やきもちですよ、やきもち」

乱太郎はそう言ってきり丸としんべえのとこへ言ってしまった。やきもち?誰が誰にだい?雷蔵が?私に?

「ありえない」
「何があり得ないんだ鉢屋三郎」

怒っているらしい、まだフルネームだ。

「雷蔵が怒っている理由だよ」
「…は?」
「だって雷蔵が私にやきもちなんて、」

ねぇ?私は雷蔵に聞くと雷蔵は真ん丸な目をもっと真ん丸にさせて私を見ていた。なんだ、やっぱりありえないだろ。乱太郎め。

「ら、らいぞ?」
「…煩いな。バカ屋三郎」
「バカってなんだよ!」

ぐっと顔をしたに向けたまんま、私とは反対の方向に体を向ける雷蔵の耳は真っ赤だ。どうした雷蔵耳が真っ赤だよ。ねぇ、雷蔵ってば。私がしつこく雷蔵雷蔵と呼んでおいかけまわすたびに雷蔵の顔はどんどん俯いて見えなくなった。対にはしゃがみこんで踞ってしまうから私は大変だ、お腹でも痛くなったのかと思って声をかけた。

「お腹いたい?」
「ちがう」
「じゃぁ、風邪?」
「それも違うよ」

膝にぶつかってくぐもった声が雷蔵の体の隙間から漏れてくる。聞き取りにくいその声を私はしっかり拾っていた。

「じゃぁなんだよ」
「みてわからない?三郎のせいだ」
「私、何か言った?」
「……」
「最近から雷蔵を心配してただけだけど。」
「その前」
「あの子きっと私に気があるよ?」
「…もどりすぎだよ」

ぐっと雷蔵の顔を両手でつかんで無理矢理こっちにむけると大粒の涙と鼻水が私のてのうえに垂れてきた。さして気にすることもないと無視していたら雷蔵は丁寧に着物で私の手をふいてくれた。私はこういう「ふいてあげる」とかの一言が無い雷蔵がすきだ。
何事も自然な雷蔵がすきだ。

「雷蔵、人の目を見て話せよ。いつも私に言うだろ」
「うるさいな、いつも守らないくせにさ」
「じゃぁ今日からは絶対。約束」

無理に小指をからめて指切りをすると雷蔵は私の嫌に真剣な顔を見て吹き出した。涙と鼻水でべちょべちょな顔がキラキラ光る。

「らいぞ。すきだ」
「…ぼくも。」

小さい小さい声が雷蔵の口から微かに聞こえ、顔はまたさらに真っ赤になっていた。










END
「雷蔵雷蔵!それで焼きもちだったの?」
「馬鹿屋三郎!!」