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【ノマカプAPH】見た目より年寄りですから。(仮)【中越】

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「越は我のこと嫌いあるね。」

たまに思う。
もっと素直になれたらいいのに、と。

だけど実際は、私の口は私の思いと逆の言葉を紡ぎ出す。

“そんなわけがない。”
そう素直に言える程、私は可愛くない。

「ええ、そうね。私は貴方が嫌い。」

いま目の前に座っている奴程ではないが、私だってもうそんなに若くない。

素直になるには年を重ねすぎた。

「だけど、」


いい加減気付いてもいいのに。
私より長く生きていて、若い頃からずっと知っていて。

昔から鈍感で、そんなんだから皆に出ていかれるのよ。

「だけど…何あるか」

やっぱりまだ気付かないのね。

変えようと思ってもなかなか変えられない髪型も、何だかんだでこうやって会いに来てしまうということも、どういうことだか、分かるでしょう?

「…もう、いいわ。」

出されたお茶を一気に飲み干して立ち上がる。
このやり取りを、もう何十回も繰り返した。

「少しは自分でも考えてみなさいよ。」

いつもならそのまま家を出ていくだけだけど、今日は一言だけ付け加えてみた。

でも、この鈍感な老人には伝わるわけがない、そう思っていつものように部屋を出ようとすると、背後から「越ー。」と呼び掛けられ、立ち止まる。

「自分で考えろ言われたら、我の都合のいいように考えてしまうある。それでもよろし?」

"都合のいいように"?
どうせまた「越は我の妹ある!我をもっと頼るよろし!」とか考えてるのだろう。

「勝手にどうぞ。」

そう言ってから、扉を勢いよく開ける。

「また来るあるー!」

なんて暢気な声を聞きながら、私は彼の家を去った。


───────────

「せんせー、せんせー。」

ベトナムが乱暴に扉を閉め、その場を去ってから数分後、一人で部屋に残ってお茶をすすっていた中国の元へ台湾がやってきた。

「どうしたあるか、湾。」
「あのね、香が眉毛の家のお菓子作ったらバーンてなって台所が大変なことになっちゃったよー!」
「だからあへんの家のお菓子はやめろ言ったある…。」

仕方ない、片付けに向かうか、と長時間椅子に座っていたことによりギシギシ痛む重い腰を上げて立ち上がると、台湾が不思議そうな顔をして中国を眺めた。

「せんせー、怒ってないあるか?」
「何言うあるか。プンプンあるよ!」

台所に行けばきっと酷い光景が広がっているのだろう。
それの片付けをしなければならないと考えると、正直気が滅入る。

「でもせんせー、すごい嬉しそうな顔してるよ。」

そう指摘され、中国は自分の顔をペタペタと触る。
確かに、気付いていなかったが、頬の筋肉が上がっている。

「まあ、我にもいろいろあるあるよ。」

さぁ、早く片付けに向かうある、と中国は台湾の背を押した。


【終】