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お出掛け日和

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天気もいい。風も穏やか。気温も湿度もちょうどいい。絶好のお出かけ日和というやつだ。
こんな日にはデスクワークなんて放り投げてドライブにでも行きたい。

「ていうか来ちゃってるけど」

執務室の窓から眺めた空があまりにも綺麗だったから、勢いでザンザスに連絡を取って迎えに来てもらった。都合のいいことに今日は一番監視の目の厳しいリボーンと獄寺くんが屋敷にいなかったから抜け出すのは簡単だった。

「風が気持ちイイねー」

ザンザスの所有する車の中から今日はオープンカーをチョイスして、風を感じながらのドライブ。
まぁ大空の守護者が二人でドライブに来てるんだから晴れてもらわないとね。

「俺を付き合わせるな」

そう言うザンザスの横顔が怒って無いことは知ってる。
こうやって仕事を抜け出して二人でドライブしたり街をブラブラしたりなんてのは本当によくあることで、その度に二人でリボーンに大説教をくらっている。たまに本気で撃たれそうになることもあるけれど。それでもザンザスはいつも迎えに来てくれる。

「どこ行くのー?」
「お前は何処に行きたい?」
「うーん…そうだなぁ」

別段行きたい場所も無かったから「テキトーに走って」と言ってみる。ザンザスは「Il beneplacito」と俺の意図を汲んで車を走らせる。
帰ったら怒られると分かっていても携帯電話を切ってこうやってザンザスと二人出掛けるのは楽しくて仕方がない。毎日毎日書類に埋もれて判を押したりサインをしたりで退屈な日常にはこんな息抜きもお説教もいいスパイスなのだ。

「帰ったらまたお説教されちゃうね」
「誰のせいだ、誰の」

お互い忙しくてなかなか会えないけれど、俺にとってザンザスは唯一対等な相手だ。守護者の皆もヴァリアーの皆も、リボーン他アルコバレーノの皆とも違う唯一の。

「毎日こうやってお前と会えたら、ストレスももう少し軽減されそうなのになぁ」
「テメェがもう少し要領良くやれば、飲みにくらい行けるんじゃねぇのか」
「いや、そんな簡単な問題じゃないんだって」

とりあえず今回の脱走も成功。次はいつこんな風に羽根を伸ばせるか、それだけを楽しみにまず二人でリボーンから大説教タイムだ。
その前に、捕まる前に、思いっきりはしゃごうと思う。


作品名:お出掛け日和 作家名:くろ