BOSSとボス
昨夜の任務の報告を14時にしに来てね。
とザンザスに伝えたはずなんだけどな…
「あ、ルッスーリア!ザンザス知らない?」
「あら、ツッくん。ボス?見てないけど?」
「そっか。部屋にも居ないんだよなぁー」
「何か用事?」
「うん、報告に来るはずだったんだけど来ないからさ」
「そうなの?どこ行っちゃったのかしらねぇ。報告をブッチするなんて」
「んー。有難うルッスーリア、俺もう少し探してみるよ」
「見かけたら伝えておくわね。連絡入れるように」
「有難う、よろしくね。」
***
「あっれ~?ツナヨシじゃん」
「ベルとマーモン」
「何かあったのかい?ツナヨシ」
「ザンザス探してるんだけど」
「ボス?」
「僕たちは見てないよ」
「そっか…談話室にも居ないかー」
「ボスの部屋は?居ないの?」
「うん。」
「ボス、何かやったのかい?」
「報告に来ないからさ。もう30分以上も過ぎてるんだけど」
「ボスのことだから、今頃そっちに行ってるんじゃないの?」
「それはありえるね」
「あ、じゃあ獄寺くんにでも確認してみる。ありがと!」
「じゃあね、ツナヨシ」
***
「あ、もしもし獄寺くん?」
『十代目!今どちらに――』
「そっちにザンザス行ってない?」
『ザンザスですか?来てないですけど』
「そっかぁそーだよね。うん分かった有難う」
『え、十代目!?どちらに』
「ヴァリアー本邸。じゃあね」
『ちょ、十代目!?』
「うーん…やっぱり出掛けちゃったのかなぁ」
***
「あ、レヴィ」
「ツナヨシ。どうした、うちに何か用か?」
「十代目!お疲れ様です!」
「お疲れ様。ねぇレヴィ、ザンザス知らない?」
「ボスか?いや、今日は見てないが」
「朝方には帰って来てる筈なんだけどなぁ」
「昨夜任務だったはずだろう」
「うん、スクアーロと一緒に行ってもらったんだけど…あれ、そういえばスクアーロも見てないなぁ」
「お前らも見てないか?」
「はい、今日はまだ」
「有難う」
「役に立たなくて悪いな」
「ううん。有難うレヴィ、みんな」
***
――コンコンッ
「スクアーロー?居るー?」
「スクアーロー?入るよー?」
「ってうわぁ!何でソファーで寝てるの!」
「あ゛ぁ゛?ん…ツナヨシ?」
「おはようスクアーロ。昨夜はお疲れ様」
「んー…あぁ。つかどうした?」
「あ、ううん。寝てたならいいんだ。」
「??」
「いや、ザンザス探してたんだけど、ここに居たんなら知らないよね。」
「ボスなら奥に居るぞぉ」
「え!?」
「部屋に戻るのが面倒だとか言いやがって、ベッド占領しやがったんだぁ」
「え…」
「起こしてきてやる」
「あ、いいよっ」
「そろそろ俺の部屋から出ていってほしいしなぁ」
「…うん、そう?」
「ボスー!てめぇそろそろ起きやがれぇ!!」
「……うるせぇよ、ドカス」
「ツナヨシが来てるぞぉ!」
「あ゛?」
「あ、ザンザス…任務の報告、14時って言ってあったんだけど…」
「…今何時だ?」
「15時過ぎ」
「チッ…」
「あ、でも後でいいよ!疲れてるみたいだし」
「……すぐ行く。部屋で待ってろ」
「え、いいよっ」
「いいから。すぐ行くから執務室で待ってろ」
「う、うん。分かった」
そして間もなく執務室で待っていた綱吉の元に緩くネクタイを締めてスーツ姿のXANXUSが現れる。
ずいぶん早かったね。と声を掛けると報告書を投げて寄こすXANXUS。
しっかりと書き込まれたそれ。あれから書いたとは思えないそれに驚いている綱吉。
帰って来てからカスに書かせた。あぁだからスクアーロは彼にベッドを取られてしまったのか、と納得する綱吉だった。