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Un luogo esposto al sole

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今日の外回りが終わって、報告のためにベルナルドの部屋に向かう。
とりわけ急いで知らせておく必要のあることはなかったが、定時報告を忘れてベルナルドの小言を聞くことになるのは少し嫌だ。
とりあえず、外でゆっくりと昼食をとってから戻ってきた。今日はジャンさんと同じ仕事もないから、会うことでもきない。それだけで、もう心が何も感じない。


(ジャンさん、に会いたい…)


ふとよぎった太陽みたいな笑顔と金髪に自然と顔が緩むのを感じる。
気を取り直すようにベルナルドの部屋の扉を軽く叩いて、反応を待たずに扉を開ける。


「………」


目の前に見える光景に声も出なかった。扉を背にして身動きを取ることもできない。
どうして…頭の中を疑問符が埋め尽くす。一瞬部屋を間違えたのかと思った。
部屋に関しては、ベルナルドの電気の玉座(ジャンさんが言ってた)があるから間違ってはいないみたいだ。


(なんで、ジャンさんがここで寝てるんですか?)


ベルナルドの部屋にあるソファーにジャンさんが寝ていた。
どうやらベルナルドを待っている間に寝てしまったみたいだ。
ソファーの背もたれに体を預けて、ぐっすり寝ている姿はすごく可愛い。
窓の近くにあるソファーには太陽の光が降り注いでいて、陽だまりができていた。
その中で眠るジャンさんは、まるで…


(ジャンさんは、俺の陽だまり、だ)


そこは安心できる場所で、気持ちいい場所で、幸せな場所。
そばに行きたいけど、動くとこの空間を壊してしまいそうで動けない。
それでも、俺は幸せだった。ジャンさんの寝顔を見れる。
それだけでこんなにも心が温かい。


「ん…っ、んぅー…ジュ、リオ?なにしてんの?」

「あ、ジャン、さん…」


どのくらいそうしていたのか。
ジャンさんが目を開け俺を見つけた。寝ぼけたまま俺に向かって声を掛けてくる。それだけで、うれしいのに泣きたくなってしまうのはもう自分でも止められない。


「んー…まぁ…いいや、こっちこいよ…」


ぽんぽんっと、自分の隣を叩くジャンさん。
ふらふらと、その声にその仕草に引き寄せられるようにジャンさんの隣に座る。
すぐに自分の肩に軽い重さを感じた。


「ジャンさん…?」

「…みんな、いるだろ?俺だって…」


だからそんな寂しそうな顔するなよ…。
消え入りそうな声でジャンさんが呟いた。そのまますぅすぅ…と規則正しい寝息が聞こえる。どうやらまた眠ったみたいだ。


どうして、あなたにはすべてが分かってしまうんだろう。
でも、俺は、あなたがいればそれだけで良いんだ。
それ以外なんて、みんな、なんていらない。
あなたの隣に居れる、それだけで俺はこんなにも幸せ。

だから、どうか、もう少しこの陽だまりの中で、あなたと2人。




<END>

Un luogo esposto al sole = 陽だまり
作品名:Un luogo esposto al sole 作家名:サギノメ