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私が知っている秘密

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ふわり、ふわり。
目の前を歩く淡い色合いの髪が、彼の歩調に合わせてゆっくりと揺れる。
タカ丸は彼の髪の毛がすきだ。たぶん良く晴れた青空にぷかぷかと浮かぶ綿雲はこんな感触なんだろうといつも思う。実際に綿雲に触れたことなどないけれど。
それから、もちろんタカ丸は髪の毛だけではなくて彼、綾部喜八郎という人間もだいすきだ。厄介な理由を抱えて二個下の後輩達が学ぶクラスに編入してきたタカ丸に少しも偏見を持つことなく接してくれた。少し(まわりから言わせればだいぶ、)マイペースな少年だけれど、タカ丸のたいせつなともだちの一人だ。
少し話が変わるが、タカ丸には久々知兵助という名前の先輩がいる。委員会の先輩後輩として出会ったのだが、彼の気持ちのいい性格と面倒見のよさから今ではすっかり仲良くなった。彼の髪の毛もタカ丸のお気に入りのひとつだ。少し硬いが癖っ毛気味の夜色の髪は、あまり触れさせてはくれないが指通りが気持ちいいのを知っている。
綾部の淡色の猫っ毛、久々知の夜色の癖っ毛。あまり、寧ろ真逆のふたつだが、ひとつだけ共通点がある事に気付いているのは多分タカ丸だけだろう。

「綾部くん、」
「どうしたんですかタカ丸さん?」

くるりと綾部が身体を反転させたのと同時に、ふわりと揺れた髪から爽やかな、少しだけ甘いシャンプーの香りが馨った。

「なんでもないよ」
「…そうですか」

そのシャンプーはある友人にタカ丸が薦めたもの。その友人とは綾部の事では、ない。勧めてくれたやつ使っているよ、と笑う笑顔は綿雲というよりそれが漂う青空みたいな笑みだった。

「いつからだったっけ、」

真逆の髪の毛から、偶にまったく同じ香りがするようになったのは。
にこりと笑みを浮かべて、大股で一歩踏み出し先を歩く綾部の隣に並んだ。

「綾部くん、」
「はい?」
「昨日の晩御飯何食べた?」
「…まーぼーどうふです」





私が知っている秘密


作品名:私が知っている秘密 作家名:栞菜