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繋いだ指が離れませんように

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じゃあ、テツ! 約束ね?
 そう言って能天気な笑顔を見せる女生徒を、テツは複雑な気持ちで見た。いつの間にか雨宮くんからテツへと呼び方が変わっている。ずい、と眼前に突きつけられた小指のように、相手を待たずに自分のスペースに引き込む強引な性格をしているのだと思った。
 はあ、とため息をひとつ。けれど、ニイッとくちびるの端を持ち上げて上機嫌でいるユキには、テツの憂鬱などイチミリも伝わらないに違いなかった。たとえ伝わったとしても、憂鬱の鬱の字がきっとこいつは読めない。
「おい」
 制止の声をかけても、自分のものではない右腕は勝手に動く。見やれば、案の定、ユキの髪の毛の一部が起き上がり、空へ向かってビクビクと動いていた。通常の人間ではありえない動き。しかしつい先日まで日常的にその動きを行っていたテツには分かる。ユキがセンコを動かしているのだと。
「おい!」
 二度目の制止は、笑顔のままの彼女へと向けられたものであったが、やはり無視をされてしまう。この右腕にして、この操縦者あり。テツの意志など、知ったことではないのだ。面白くない事実に、ぐっと彼の眉間の皺が深くなる。しかし、その厳しい表情が視界に入っているくせに、ユキは気にする素振りもない。
 諦めの度合いが増してきた彼は、結局彼女のしたいようにさせる。その甘やかしが、今後、どのような影響を見せるかも知らずに。
「……貸してるだけだぞ」
「なんのこと?」
 ユキはにこにこと笑いながら、テツの右腕に化けているセンコと指切りを結んでいる。