For one Reason
私としたことが、と言ってLはごそごそとベッドから降りてサイドテーブルへと向かう。月の顔がやや不審げになった。それは月が行ってほしい方向とは逆だったからだ。
「これですね」
「…………なんだ、これは?」
戻ってきたLが手にしていたのは。
何かとても嫌な予感がしたが、月は聞いてしまった。
聞かなければよかっただろうに。
「はい、月君。私と婚約してください」
「ちっがーう!!」
「え、でも真紀さんの手紙にも「早く既成事実作ってとっつかまえておきなさいよ」って書いてありましたし」
「真紀さーん!?」
なんてこと吹き込んでくれたんだあんたはー!
叫んだ月の声が響いた。
……が、すでに捜査官達は引き払っていたので誰もその言葉を聞いていなかった。
-END-
And they lived happly ever after...?
作品名:For one Reason 作家名:亜沙木