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ひぐらしのなく頃に 壊 姉探し編

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最終話



爆破され、木っ端みじんになった校舎が見えてきた

ここが姉さんが通っていた、そして爆発させた場所。


姉さんの真意は未だわからない。怪文書片手に、寄生虫がどうだとか宇宙人がどうだとか、常人ではおよそ理解出来ないことを喚いていたらしい。
最後は警察の交渉に折れず、学校中に撒き気化したガソリンが引火して大爆発。校内にいた全生徒は爆死。死体はバラバラになり焼けこげ、どの部位が誰のものなのかも判断出来ない状態だったらしい。
そしてその翌日に雛見沢大災害が起きた・・・・・。

「ここが・・・学校・・・?」
父さんは戸惑っていた。当たり前だ、私たちも麓で場所を聞いただけなんだ。
爆発と言っても、骨組みくらいは残っているのだろう 多分父さんはそう考えていたんだろう。

何も無い  そこにはただの瓦礫しかなかった。

「ひどい・・・。」
一つ違えば自分の娘になったのかもしれない娘が残した爪痕。

「杏菜・・・・何か・・・・礼奈ちゃんの霊はいるのかい?」
「ええ、いるわ。」

私の即答に父さんは気圧されてしまった。
いるって言っただけなのに、本当に恐がりだ。

「ええー・・・いるって、ど、どこに。」
「どこにっていわれても・・・いるのよ。」

父さんは私の答え方に疑問を持ったようだった。

「え、だ、だから、どこにさ?」
「そうね・・・多過ぎてわからないわ。」
「多?」

そう、ここには数えきれない程の霊がいた。
全校生徒がどうとか言うレベルではない。恐らく村人全員の霊がここに集結したと言っていい。
村では何も感じなかったがこういうことだったのだ。村人の霊は全てがここにいる。

でも何故だろうか、火山性ガスは村人全員が就寝している真夜中に襲った筈だ。そして大体の地縛霊の殆どは死んだ場所に留まる筈だ。
つまり就寝時にガスで死んだというならば、村人達の霊は各々の家に憑いていなければならないことになる。
おかしな話だ、つまり災害当日は村人全員この雛見沢分校で寝ていたということなのか?

ありえない。当日はこの校舎は消し炭になっていた。

・・・・ガスで死んだと考えること自体が・・・間違い・・・?
みんな、ここに集められて・・・殺された・・・・?


「・・・・私にしかわかることの出来ないこと・・・。」
私にしか出来ないこと。

「あ、杏菜?」
「ええ、大丈夫。多過ぎてわからないけど、姉さんがここにいることはわかるわ。」

この大量の気配だって一つ一つ違いがある。姉さんも同じく違いを持つ。今までずーっと憑いてきたんだ、姉さんには直ぐに気付くことが出来た。

「そうなのあなた達、姉さんは、雛見沢を守れなかったことを、悔いているんだね。」
「杏菜・・・本当に礼奈ちゃんは・・・。」
「姉さんは私のお父さんが嫌いみたい、お母さんをたぶらかしたから。」
「たぶらかしたって、そんな礼奈ちゃん。」

姉さんは事件を解決したい・・・私は母さんの無念を晴らしたい・・・否、母さんに無念なんかなかっただろう。これは私の自己満足・・・・。
それでもいい。

赤坂さんは言った。私にしか出来ないから頼むって。

「私はこの事件の真相を知りたくなったわ。」
「杏菜は、この災害が事件だと?」
「そう騒がれているのは事実だし、火のないところに煙はたたないわ。私は姉さんはあまり好きじゃないけど・・・・利害は一致したみたいよ。」

姉さんの無念は私の無念。姉さんは私の無念を気付かせるために、何年もの間私に憑いていたのか・・・・。いいわ、母さんを追いつめたこの事件の犯人を見つけてあげる、姉さんが出来なかったことを私がやる。それに・・・姉さんは母さんを許してくれているみたいだ。

「それと・・・古手梨花さん?赤坂さんが済まないって言ってたわ。でも安心して、私は彼と一緒にこの事件の真相にたどり着くから。」
「杏菜・・・・何をする気だい?」
「ごめんね父さん、仕事はするけど、片手間になっちゃいそう。それでも私、この事件を解決するわ。」

母さんは死ぬまで姉さんのことしか考えてなかった。私にはそれが悔しくて姉さんを好きになれなかった。別に今だって好きじゃない。ただ姉さんが暴けなかった真実を私が暴くことによって、姉さんより優位に立ちたい、母さんに私を見て欲しい、そんな不純な動機だ。
でもコレは勝負。今までのらりくらりと人生を生きていた私の初めての勝負だ。
いいわ、真実を暴けなかったら私の負け、暴けたら私の勝ち。
仕掛けたのは姉さん、私を自分の代わりに事件を解決するためのアバターと思っているんだろう。でも構わないし私はこの程度で一々怒ることは止める。

「父さん、直ぐにおりましょ。」
「え・・・ええ?もうコレでいいのかい?案外あっさり・・・。」
「赤坂さんに連絡するわ、ここは圏外なんだもの・・・・行動を起こすならすぐにね。」

今では色んなものが風化してしまった。木も林も河も建物も情報も。
でも私の勝負は今始まったばかりなんだ・・・・いてもたってもいられないし言い訳もしない。

姉探しはもう終わった。
私は、私と母さんと姉さんのためにこの事件の真相を暴く。

いつまでかかっても、絶対に。









Fin