キスお題ったー
少し離れたところでダンテは楽しそうに悪魔を倒していく。
そんなダンテを横目で見ながら俺も悪魔を倒すがダンテとの差は歴然だ。
少しへこみながらもふと気になったのはダンテの唇だった。
色々と悪魔を挑発しながらも笑っている口元。
喋るたびにちらりと覗く白い歯。
あまり艶やかではないが触れると柔らかいのを俺は知っている。
そして荒々しくも優しい口づけ。
一度気になったらついつい意識してしまう。
――キスしたい。
こんなこと考えたのはダンテのせいだ。
これが終わったらキスして驚かせてやる、そんなことを思いながら悪魔を倒していく。
「おい坊や!」
「っなんだよ!」
そんなことをぐるぐる考えながら戦っていたからかダンテが近づいていたのに気付かなかった。
今まで考えていたことの恥ずかしさと気付かなかった悔しさもあり八つ当たりのように振り向いた瞬間。
『ちゅっ』
「な、ななな何を!」
「何ってキスだろ」
「ちがっ、何でいきなり!」
「キスしたそうな顔してたからな」
にやりと笑いながら言う顔に今まで考えていたことが見透かされていたのがわかって思わずバスターをするがするりとよけられた。
終わったらもっとすごいのしてやるからな、そう言いながらダンテは俺から離れてまた戦いだした。
そんなダンテに俺はこのごちゃごちゃした気持ちをどうすることもできず、周りの悪魔に八つ当たりをするためにレッドクイーンを握りなおした。
どさくさにまぎれておっさんも攻撃してやる、そう決意しながら。