せめて、
頬を撫ぜる風は酷く冷たい。胸に抱いた、熱を持たぬ亡骸はただ沈黙を守るばかり。春の陽射しも、母の腕の温もりも知らぬままに、冬に抱かれた私の愛し子。愛し、愛し、と。寒かろう、と。柔らかな、春の大地の色をした毛布の上から、柔く、頬の辺りを撫でた。ありがとう。貴方が私の胎内に宿ってくれて、私、とても幸せだった。ごめんなさい。側にいてあげられなくて。雪に濡れた大地の下、独りで眠りにつくのは、寂しいでしょう。ごめんなさい。私はまだ、逝けない。だから。せめて、
私の代わりに、この子達を一緒に連れていって。
2009/06/27 イドイド発売記念とか、そんなだった気がする。