手放せない恋のお題
05. ご褒美=(イコール)君
甘いお菓子は、もういらない。
大好きなアイスクリームだって、我慢出来るさ。
キミが帰るたび、寂しい顔をした俺をあやすためにキミがくれたのは、いつだってお菓子だった。
正直、その頃からキミがくれるお菓子は美味しいものばかりじゃなかったけど。
俺にそれを手渡すときのキミが、あまりにも幸せそうに笑うから。
俺は、その顔を見るのが幸せで、そのお菓子がなによりも好きだった。
お菓子がくれた甘い幸せは、お菓子だけのものじゃなかったよね。
もう、辛いことだって我慢出来るさ。
悲しいことだって、受けとめてみせる。
キミが思うより俺は強くなったよ。
目の前のものを失っても、その先の光を求めることだって出来る。
ちぎれるぐらい手を伸ばして、指先にかすめるものを引き寄せることだって。
不可能なんてない! …って、爽やかに笑えるようなヒーローに、
なりたくて。なってやる、ってここまでやってきたんだから。
砂の山を登って、酸の雨を受けても、
この先には光があると信じて。
もう一度、光を手に入れると、信じて。
甘いお菓子は、もういらない。
大好きなアイスクリームだって、我慢出来るさ。
だから、イギリス。ご褒美に君が欲しいよ。
もう一度笑って、俺に笑って。
あの甘いお菓子のような光を、どうか、もう一度俺に与えてほしいよ。
END