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すきすきあいしてるの

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僕と彼がこうしているのが、いまだ僕には不思議なことだった。どちらが先に言いだしたか、あやふやだ。僕は彼と幾度も合う視線に落ちていくばかりだった。もう目が離せない。
彼が僕を自分の膝にのせ、ゆっくり紫煙をはく。僕は両腕を彼の首に絡め、顔を肩あたりによせ、もたれる。彼の片手が僕の髪をいじりながら、撫でる。うなじあたりを触られるととてもくすぐったくて、僕はくすくすと笑う。
日が沈む前の公園のベンチの一つ。そこは彼と僕の特等席。通りすがりの人が一瞬ぎゃっとするが、彼が彼だと気がつくと見て見ぬふりをする。
僕達に会話らしい会話はない。沈黙をBGMに、視線だけで僕達は会話する。だから、いつも僕はサングラスが邪魔だなと思う。でも外すとそれはそれで、彼の端整さが目立つから嫌だ。おとなしい彼は弟が俳優として人気があるだけに、顔はいいのだ。あの人と一緒で顔はいいのだ。人としては断然彼のが良い。彼は切れやすいだけで、基本優しいのだ。
ああ、でもサングラスは邪魔だ。僕が彼の胸に手をやり、若干彼と離れる。
彼の視線が僕に向けられ、僕はそれだけでゾクゾクした。愛しい。愛してる。狂うように僕の中が彼への愛で埋まる。隙間などない一ミリたりともないようだった。サングラスはしたままのがいいかもしれない。彼の視線だけでおかしくなってしまう僕にはそのままのがちょうどいい。
「帝人」
ああ、ずるいな。絶対普段は僕の名前なんて呼ばないくせに、こういうときは呼ぶのだ。僕と彼の間にある邪魔な彼のサングラスを外した。彼の目がいい子だと言っている。僕は彼の子供扱いにムッとした。頬を膨らませる僕はやはり子供なのだろう。でも、僕達は恋人同士なのだ。僕の頭を撫でる彼にどう反撃してやれば驚くだろうと考えるが、彼を見ていたらキスをしたくなった。キスがしたいと彼に訴えれば、彼が笑った。淫靡な雰囲気を匂わせた笑みに僕は顔が熱くなるのを感じながら、僕は目をつぶった。
作品名:すきすきあいしてるの 作家名:こん