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【腐向けAPH】XとYの関係【丁諾】

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それじゃ、さようなら。
吐き捨てるように言って踵を返す女を、寂しそうに見つめる男。
私はそんな彼を物陰から眺めていた。

たった今振られたらしいその男はがっくりと肩を落とし、大股で去っていく女に背を向けて歩き始めた。
必然的に男の視線は私の姿を捉える事になるが、私は別段逃げも隠れもせず、驚いて見開かれる目を見つめ返す。
「ノルか?!おめぇが俺んち来るなんて珍しいっぺな!」
ついさっきの悲しそうな顔は何処へやら。
打って変わって喜びを顔いっぱいに湛えて向かってくるあんこを避けると、地面に頭から突っ込んで行った。
ゆっくりと近づいてゆき、軽く顔をしかめて頭をさすっているあんこを見下ろす。

『あんこ、一緒におったおなご…』
「うあー、見られてたっぺか!こりゃ恥ずかしいっぺ」
照れたようににやにや笑うあんこを睨みつけて大人しくさせる。
「しつこい男は駄目らしいっぺよ」
『…あんこに好かれたんが運の尽きだ』
「ノルは冗談が上手いっぺな!」
どこまでも楽観的なこの男は、私の胸の内にも気付きはしないだろう。

―そこらのおなごじゃなくて、私を見て欲しい―

この言葉が言えたら、どんなに楽なのだろうか。
天の雀な私には到底できないこと。
もどかしくてもどかしくて、彼に悟られないように唇を噛んだ。
あんこが私を拒む理由なんて、幾らでも思い付く。
勝率0%の賭けに出るのは性に合わない。とは言え、知らないおなごと彼が一緒に居るだなんて堪えられない。
正解の無い方程式みたいに私を苦しめる、この葛藤。

『…なぁ、あんこ』
「ん?」

私は、どうしたらいい?