【ノマカプAPH】言えない言葉【瑞列】
『どうしたのだ、リヒテン』
そう、私とお兄様は“兄妹”。
こんな気持ちは許されないのです。
「いえ…何でも、ありませんわ」
なのに、何故でしょうか?
何度諦めようとしても、その度にお兄様の笑顔が浮かんで・・・
『何か、悩んでいるのであるか?・・・困った事があるなら、遠慮なく我輩に言うがいい』
「はい、ありがとうございます」
嗚呼、言える訳はありません。
お兄様に恋い焦がれているだなんて・・・
言えばきっとお兄様はお困りになるでしょう。
口を聞いていただけなくなるかも知れません。
―それならば、私はこの気持ちを秘めて生きてゆきます。
ずっとこのまま、お兄様の隣で・・・。
嗚呼、それでもいつかは伝えたいのです。
「お兄様」
「私は、初めてお会いした時からお兄様の事を―」
作品名:【ノマカプAPH】言えない言葉【瑞列】 作家名:鈴原玲音