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君との時間がプレゼント!

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「やあギルベルト!」
「……アルフレッド?」

 出かけようとして玄関の扉を開いたギルベルトは目の前に現れた意外な人物に驚き、瞬きを繰り返した。

「そうさ。俺以外に誰が入るって言うんだい? アーサーみたいなこと言わないでくれよな!」
「いや、そうじゃなくて……なんでここに」

 しかも正装で、だ。普段見慣れないアルフレッドのきちっとしたスーツ姿をギルベルトはマジマジと見つめてしまう。

「なんでって君に用があるからに決まってるじゃないか! 今日は7月4日、俺の誕生日だからね!」
「そりゃ、知ってるが……お前主役だろ。パーティー会場にいなくていいのかよ」
「パーティーなんか後から間に合えば良いのさ、今の俺にはそれよりも大事なことがあるんだ!」
「……大事な事?」

 パーティー好きのアルフレッドにしては珍しい、とギルベルトが目を丸くすれば、そうだよ、と頷いたアルフレッドに腕を引っ張られる。

「うわっ、アル?」
「俺は君を迎えに来たのさ!」
「へ? はぁ!?」
「何をそんなに驚いてるんだい? さ、行こう!」
「あ、おい! こらアル! 行くってどこにだよ!?」

 アルフレッドに腕を引っ張られ、ギルベルトはたたらを踏みつつ家の外へと引っ張り出される。ちなみに弟のルートヴィヒは遅刻しがちなフェリシアーノを呼ぶために既に外出済みだ。
 家には犬たちが残っているから安心とは言えど、やはり鍵はかけてから出かけたい。アルフレッド! と声をかけて制止するものの、アルフレッドはギルベルトの抗議など無視している。

「こら! おい! アル! アルフレッド!!」
「何か言ったかい? ギルベルト」
「どこ行くんだって聞いてんだよ! それから家の鍵閉めさせろ!」
「HAHAHA! 行く場所なんて決まってるじゃないか! 俺の家だよ!」
「へ? アルフレッドの家?」

 鍵の事は知らないと言わんばかりにスルーされたが、今更戻るのも確かに面倒だ。あとで弟に怒られる事を覚悟しつつ、走り出そうとするアルフレッドの後を追いかける。

「そうだよ! 俺の誕生日……俺が一人前になった日だからね!」
「別にお前にこうして連れてかれなくてもいつも行ってるだろっ?」
「だけど君、いっつも一番最後に少しだけきてくれるだけじゃないか! 俺はそんなの嫌だね!」
「はぁ? お前が主役なんだから俺は別にいなくても……」
「俺は!」

 急にピタリと足を止めたアルフレッドに激突しそうになり、ギルベルトは慌てて足を止める。けれど逃がさないとばかりにぐっと腰を抱き寄せられ、顔と顔の距離はおおよそ20cmだ。

「あ、アル! 近いって!」
「俺は君に祝って欲しいんだぞ! 君が許してくれるなら、君からプレゼントが欲しい」
「……プレ、ゼント?」

 そうだよ! とギルベルトからのプレゼントを待つアルフレッドは子どものように目を輝かせている。思わずギルベルトが吹き出せば、なんだいそれ、とアルフレッドは不満そうに唇を尖らせた。

「ははっ、悪い悪い、けどプレゼントが欲しいなら最初に言えばいいだろ」
「俺の欲しいプレゼントは物じゃないからさ!」
「物じゃない?」
「俺は君とデートがしたいんだ。君に一日中、俺の誕生日を祝って欲しいのさ!」

 だからこうして迎えに来たのに、とアルフレッドは拗ねたようにギルベルトを見る。

「そりゃ、贅沢なお願いごとだな?」
「贅沢なプレゼントを貰ってもいいじゃないか。今日は俺の誕生日ってやつだからね!」
「ははっ、違いねえ。 ま、お前の希望だって言うなら今日一日付き合ってやるよ」
「本当かい!? じゃあ急いで俺の家に行かなきゃね! すぐそこにセスナを止めてあるんだ!」

 Thanks! 嬉しいよ! と子どものように喜んだアルフレッドはギルベルトを担ぎ上げ、セスナが止めてあるという場所まで走り出す。

「うわっ!? こらアルフレッド!! 降ろせ!! 俺は走れるっての!!」
「そんなの待ってられないよ! 俺が連れてった方が早いじゃないか!」

 はしゃいだアルフレッドが言うことを聞く筈もなく、ギルベルトは担ぎ上げられたままドイツの街を走る。
 小さく溜息を吐いたギルベルトはそっとポケットに腕を忍ばせ、小さな箱に指を伸ばす。
 どうやらおめでとうと言えるのも、プレゼントを渡すのも、もう少し後の事になりそうだな、と笑って。