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ああ、あなたはわたくしの絶望と希望

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距離は広まる。遠く、消えてしまいそうな細く輝く道をいつもフレンは歩き続けていた。一寸間違えれば奈落の底に突き落とされるてもおかしくはないのに。
 おまえ無謀なんじゃねぇの。
 幾度も忠告したけれど、終ぞフレンが頷くことはなかった。対抗するように、フレンからの騎士団への復帰も拒み続けた。どこまでやれるのか、眺めていたかった。届かなくていいから。決して気づかれない、彼がちいさく見える距離からでよかったのだ。

 いつだってさよならをいう準備をしていたつもりだったのに。
 フレンは子どもの頃からの変わらない笑みをユーリに向け続けるのだ。旅を始めたときも、ギルドを始めると言ったときも、人を殺してしまったこと、そしてそれを罪だとおもっていないこと(そう、おもっていないことが罪なのだとおもっている)を知られたときも。ユーリもフレンも立場も過ごしてきた日々も違うのに、それはユーリがフレンをどうおもっているか悟ったときから、自分の気持ちが何も変わっていないことを思い知らせる。ユーリによってはただの呪いだった。

「ユーリ」
「ほら、部下が呼んでんだろ。いつまでも騎士団長がこんな奴と一緒にいんじゃねぇよ」
「ユーリ、…僕は」
「いいから。…もう」


 それならばもう本当に、いっそ届かないと諦められるぐらいまで。





「さっさとどこにでもいっちまえ」