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【腐向けAPH】恋物語に句点(ピリオド)を打つ【露立】

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こんな時でさえ、君の首筋で跳ねる束ねられた焦げ茶色の髪が綺麗だ、と思うんだ。

「ねぇ、君はどうして――」
触れようとした髪はまた跳ねて、僕の指のあいだを摺り抜ける。
「どうして、僕を置いていくの・・・?」
振り向いた君は、頬に伝う涙を拭おうともせずに静かに笑っていた。

『・・・それは、貴方が一番良く判ってる筈です』

それだけ言って駆け出す君を抱きしめたくて、謝りたくて。
でも、僕の体はセメントでその場に固められたみたいに、一歩も動こうとはしなかった。

――ただ唇だけが、冷えた空気を震わせて。

「僕が君を、傷つけたから」

懺悔にも似た呟きは閉じられた扉に吸い込まれて、もう君には届かない。
いつの間にか頬を伝っていた温かい感触だけが、僕の感覚の全てだった。