恋文
プロローグ
拝啓、まだまだ暑い日が続いていますが、お元気でしょうか。夏バテなどしていないか心配です。僕は、特に変わりなく過ごしています。この便箋、新しく出来た雑貨屋で買ったのですが、いかがでしょうか? 少しでも目を楽しませられたらいいのですが。
さて、夏休みが終わって、本格的に文化祭の季節になりました。去年も書きましたが、文化祭の次の日に体育祭があるので、この時期は学校中が騒がしいです。僕のクラスでは、喫茶店をやることになりました。去年はお化け屋敷でしたが、この学校では一年生が室内展示、二年生が飲食店、三年生が演劇と、大系的に決まっているようです。僕は演劇なんて性に合いませんから、来年のことを考えると少し憂鬱です。上手く裏方の仕事が貰えればいいのですが。まだ今年の文化祭も終わってないのに、気が早いですよね。ちなみに、体育祭はリレーに出場します。走りには自信があるので、きっと良い結果が出せると思います。
そういえば、来月には妹達も小学校で運動会があるのですが、両親は仕事で行けないそうです。二人は僕に来て欲しいと言うのですが、あまり気が進みません。高校生の兄が行ったら、やっぱり目立ちますよね? さっきも書いたように、目立つのは苦手です。母が仕事に復帰してから一年半ほど経ちましたが、最近は忙しくなってきたようで、両親揃って帰りが遅い日が続いています。妹達はまだ小さいので、可哀想かなと思いますが、仕方ありませんね。
そういうわけなので、最近僕は料理を始めました。この前はシチューを作ったのですが、少し焦がしてしまいました。妹達は気に入ってくれたようで、不味くはなかったと思うのですが。自分の作ったものの味には、なかなか自信が持てませんね。まだまだ勉強中です。
それでは、また来月お手紙書きますね。これから涼しくなってきますから、風邪などひかぬように気をつけてください。
敬具