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らん@島国・★☆
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novelistID. 3555
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気のおけない貴方

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「なんでアレなん?」
声をかけられて日本は振り返る。
そこにはスーツの上からでもわかるがっちりとした身体と短い金髪を立てたオランダの姿があった。
なんだか懐かしいその人に日本は笑って「素敵じゃないですか」と返す。
オランダの言葉が誰をさしていたかなんて聞かなくてもわかる。
菊の視線の先にいるのはいつも一人だけなのだから。
するとオランダはそんな菊を鼻で笑った。
「あの元ヤンがか?」
「男気があるんですよ」
「海賊なだけやろが。眉もすごいやんけ」
「凛々しくて格好いいです」
「すぐ泣きよるし」
「情に厚いからです」
「……」
お得意の八橋に目玉まで包まれてるのではないかとオランダが本気で思いかけた時、フォローしようないことを思い出す。
「紳士がエロ大使か?」
「……やけにからみますね」
思った通りどうやらさすがに庇いようがないらしい。
唇の端をあげて笑うと「意地悪な人は嫌いです」と言われた。
「ちゃうて。旧友がしょーもないやつにひっかかるのがみてられへんだけじゃ」
さっきから途端睨み付けてくるイギリスにオランダは肩を竦める。
日本に対して好意で言ってやっているのに。
端から見ていればイギリスの態度が日本にだけ違うのはバレバレだ。
質の悪い男に昔馴染みがひっかかるなど…。
「いやですね、私がひっかけたくてしてるんですよ」
そう言って笑う、その表情は穏やかでありながら凄みを帯びていてオランダは息を飲む。
「慎ましやかだと思われたいからあえて近くの席には座りませんし、あの人が私を思っているとわかっていてももっとひきつけたいからわざと妬くように貴方と親しげにしゃべってるんです」
「………」
そんなやつだっただろうかと一瞬考えて、そうだったと思い出す。
穏やかに見せかけて本当はどこまで読んでいるのかいないのかよく計り知れないやつだった。
それを隠していてみせるのがオランダにだけとは…。
「たちのわるいやっちゃの」
「褒め言葉として受け取っておきます」
にっこり微笑む日本に溜息をつきながら、またふりまわされるのもかまわないと思うのだから救えない。