UMS
「ミーミ?」
キンと響くように高い声だ。
俺が教えた言葉を片言で紡ぐ。
これを教えた時には、こんな触れ方をされるだなんて思ってもみなかった。
そのまま耳たぶの形をなぞるように数往復。穴の中へ細い指を差し入れられると背筋がぞわんとした。
スキンシップの延長ではない、性的な行為であると知らせるように触れているのだと、今更ながらに感じる。
上向かされるように耳の付け根をくっと押された。
のろのろと顔を上げると、彼と目が合う。
彼の大きな赤い目はいつも不思議な色合いで星の様に瞬いていて、今日はそこに俺の顔がぼんやりと映っていた。
(もう、this this、とは気軽に言えないなあ。)
非日常に痺れた頭は、そんな結論を打ち出して、それきり真っ白になってしまった。