わるい子とわるい子
「なんでここにいんの?授業は?」
「君を呼びに来たんです。もう前期終わるのに一回も出てないじゃないですか」
単位取れませんよ、と言いながら手近な椅子に座ったジョルノも、ナランチャと同じ授業を取っている筈で、つまり、「お前もサボり?」枕に顎を乗せて楽しそうに言うナランチャに、ジョルノは「まぁ端的に言うとそうです」と言った。
「なんで優等生ごっこなんてしてんの」
「アバッキオが呼んでこいってうるさいんですよ。どうせ君は呼んでもこないだろうし、それでまたうるさく言われるのはごめんですからサボる事にしました」
「お前も大変だなぁ」
「君のせいですからね?」
「でもどうせ、サボった理由は俺にするつもりなんだろ?」
ナランチャが口角を上げると、ジョルノは人好きのいい笑顔を浮かべて「もちろん」と口を開いた。「君につかまって、時間までに帰ってこれなかったって言います」「ひっでぇ」ケラケラと笑ったナランチャは、「なんか飲む?」とベッドから立ち上がる。
「コーラならあるけど」
「じゃあそれで」
「あいよー。つか、なんでわざわざメール寄越したの?」
部屋に備え付けてある冷蔵庫から取り出したペットボトルのコーラを投げながらナランチャが尋ねると、その方がいかにもって感じするでしょう、と返される。
「優等生って感じ?」
「そうそう」
何事も気持ちからです、と言ってジョルノはコーラの蓋を開けた。
(20100703)