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キス

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「沙樹」
名前を呼ばれて振り向くと、正臣が唇を寄せてきた。
私はそれに応える。
正臣は突然こういった行動に出る。
名前を呼ばれて口にされることもあれば、不意打ちで首や頬にされることもある。
「正臣、ほんとキス好きだよね」
そう言うと、正臣は必ず嬉しくなる言葉をくれる。
「沙樹限定で好き」
そう言って、今度は包み込むように抱きしめてくれる。
その隙に今度は鎖骨にキスをもらう。
それも含めて、私は正臣のその行動が好きだなぁと思う。
どれだけ愛されてるか、今がどれだけ幸せか実感出来るから。
抱きしめてくれる正臣を見ると、二度目のキスをくれた。
今度は触れるだけじゃなくて、少し深いキス。
求められてるのが嬉しくて、でも私だけ貰ってばかりも寂しくて、でも私からすると正臣が驚いちゃうから動けない。
それがいつももどかしい。
だから、正臣から視線を外して胸におでこをつける
。私から正臣に甘えられる方法の1つ。
それに応えるように、正臣は優しく頭を撫でてくれた。
作品名:キス 作家名:香魚