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いろは@ついた
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novelistID. 11665
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お前の所為にして俺はなく

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ただ甘やかして欲しいのだ。不安定な俺を、あやして赦して欲しい。


お互い胡坐をかいて、右手は俗に言うところの恋人繋ぎ。

俺達は何を渇望してるのか、とにかく貪るように口付ける。斉藤のもう片方の手はがっちり俺の後頭部を押さえられていて逃げることは出来ない。逃げやしないのに。


うっすら目をあけると、斉藤も気配を読んで目をあける。
尚、俺の熱は上がって、そのまま後ろに倒れた。
そのまま斉藤は俺をまたいで、押し倒されるかたちになって、それでも右手は離さない。


二人の間に存在する音に、俺は少なからず欲情する。
アシメの髪が頬に鬱陶しく触れるのにも、肌と肌が触れ合う感覚も、近すぎる息も、期待を含む目付きにも、身体がうずく。もっともっと、頭おかしくなってよ。好きだよ兵助くん、好き、ってほとんど囁くように聞こえる。俺はそれを聞いているだけでいい。応えをこいつは求めない。
好きだよ、って、もっと甘い言葉を吐いて俺を欲しがって。俺じゃなきゃ駄目だと言って。もっとぶっ壊して、溶かして、どうにかしてよ。



泣いてるころには、俺の頭は白くなってて、もうなにも考えられてない。