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ワグナリアメンバーで海に出かけました

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「これって、もしかしてみんなで海に行った時の写真?」
「ん? あぁ、どこに置いたかと思ったらそんなとこにあったか。八千代はまだ貰ってないのか?」
「あれからまだ相馬君とシフト一緒になってないから」

 バイト終わりにDVDを借りてきて潤君の家に着いて、潤君がお茶の準備をしている間に見つけたのは数日前にみんなで海に行った時の写真。
 写真係だった相馬君が撮った写真にはどれもその人の個性がよく写されている。

「その時は大変だったな。いきなり種島がみんなで海に行きたいなんて言い出して」
「そうね、みんながお休みを一度に取れないからって店が終わった後に行ったのよね」
「何をするでもなく薄暗い中で水遊びしたり。近くのコンビニで花火を買ってきてやったりもしたな」

 お茶を淹れてくれた潤君も一緒にアルバムを眺めていると、本当に様々な写真が収められていた。

「これはぽぷらちゃんと葵ちゃんが花火を持ってはしゃいでいるところね」
「こっちは店長と松本だが……相変わらずピースしか脳がねえな」
「見て見て。この小鳥遊君とまひるちゃん、暗くて判りづらいけど手を繋いでいるわ」
「あいつら何だかんだでうまくやってるな」

 一ページ、また一ページとめくっていく毎にまるで昨日のように思い返される。
 ただ……こんな写真撮ったかしら……? 暗くて気づかなかっただけ?

「大丈夫だ八千代。俺も恐らくお前が思っている事と同じだ。多分、夜で暗かったから気づかなかっただけだろ」
「そ、そうよね!」

 自分の考えていた事を言い当てられてびっくりしたけど……そうよね、気づかなかっただけよね。
 ゆっくりとめくっていたアルバムもそろそろ最後の一ページに差し掛かってきた。

「もう最後か」
「最後のページはどんなのかしら?」
「俺もそういえば貰って見ずにそのままだったから何が写っているかまではわからん」

 期待に胸を膨らませながらめくった最後のページには。

「おい、どういう事だよこれは」

 そこにあったのは私と潤君がみんなから少し離れた場所でキスをしている写真だった。
 確かに少し離れた場所で二人きりになった時があったけど、まさか撮られているとは思っていなかった。

「相馬の野郎、今度バイトの時に覚えてろよ。さっさとしまえ。映画見るぞ」

 照れくさいのか潤君は相馬君の悪態を吐いてDVDの準備に移ってしまったけれど、私は驚いたもののそれ程までは恥ずかしくもなかったりする。
 まったく恥ずかしくないわけじゃないけど……だって私達はやましい関係でもないし、自分達のこういうシーンを客観的に見る機会ってあまりないじゃない。
 それに。
 相馬君は他の人に見せびらかすような人じゃないと思うけど、私達もこんなにも仲が良いんですって言っているみたいで少し誇らしいような気分だわ。
 え? 誰にって?
 それは私達の写真の他に最後のページにもう一枚、同じようにキスをしているところが写っている二人の事よ。


「準備できたぞ。もうアルバムはいいだろ」
「はーい」



 きっとラストページはこの潤君のアルバムと同じ写真になっているアルバムを持っているはずの、小鳥遊君とまひるちゃんの二人の事。