特別な存在
俺が仕事に向かった日暮れに降り出した雪はすでにやんでいた。
寒い手を擦りながら事務所に入ると温かい空気に包まれた。
「おかえり、寒かったろ」そう言って坊やは俺にマグカップを手渡す。
ただいまと返しながらマグカップを受け取り口をつける。
するとほんのりとした甘さと心地よい温かさが喉を伝う。
身体が中から温まるのを感じながらソファーに座り、マグカップで手を温める。
そうしてる間に坊やは着々と2人分の夕食の用意をしている。
どうやら待ってくれていたようだ。
どうしてこんな些細なに目が熱くなるんだろうな、そう言うと坊やは笑いながら「幸せだからだろ」と俺を抱きしめた。
その温もりに俺は昔を思い出した。母のくれた始めてのキャンディー。
その味は甘くてクリーミーで、こんな素晴らしいキャンディーをもらえる俺は、
きっと特別な存在なのだと感じました。
今では俺がデビルハンター。坊やにあげるのはもちろんレッドオーブ。
なぜなら彼もまた特別な存在だからです。
感動をぶち壊す外道なお仕事(`・ω・´)キリッ