二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

俺とお前の1日目

INDEX|1ページ/1ページ|

 
俺の目の前には棺桶がある。
たくさんの白い花につつまれてその中に横たわっているのは俺の大事なひと。竜ヶ峰帝人。
俺とは違って軟弱で、すぐ壊れそうで、でも優しくて、強かったひと。
帝人を包み込んでいる真っ白な白い花に負けないほど、帝人の肌はしろくて、すきとおっていた。
顔を見る。口はきゅっと結んでいて、多分もう二度と動かないだろうそれは何故だか、微笑んでいるように見えた。
瞼もしっかりと閉じられている。男にしては少し長いまつげ。そして額にかかる黒い髪。
確かに、俺の大事な竜ヶ峰帝人だった。
何度その確認作業を行っただろうか。大分周りには人がいなくなっている。
「兄さん。」
幽にそう声をかけられて、俺の体はびくん、と跳ねる。
「帝人くんは、」
「わかってる。」
わかってる。俺の大事なひとが死んでしまったという事実は理解できている。頭では理解できているけれど、心がついていかない。そういう表現がしっくりくる気がする。
今でも動き出しそうな気がする。
冗談ですよ、と笑ってくれそうな気がする。
すみません、と謝ってくれそうな気がする。
泣かないでください、と抱きしめてくれそうな気がする。
涙が、出てきた。
「……兄さん…。」
「悪ィ、幽…。」
何かに縋りたかった。そうだ、これは悪い夢なんだ、と思いたかった。


そうだ、これは悪い夢なんだ。


ひ弱な俺の心はとりあえずこの場はそう思うことにして、どうにか心が壊れないようにそう思い込んでしまうことにした。
そう思うと、唐突に眠気が襲ってきた。寝たら悪夢が覚めるんだ、さっさと寝てしまおう。俺の心がそう告げている気がした。
「…眠い。」
「もう、いいの?」
「すぐに会えるさ。」
俺は笑った。幽が怪訝そうに、心配そうに俺を見つめたが、そうだね、といって俺の手をとって歩き出した。




家について俺はすぐベッドへ飛び込む。
頭では、帝人が死んだことは事実で、もう二度と現実では会えないということがわかっていた。
心では、これが夢で、目が覚めたら帝人がいることを望んでいた。
俺の頭と心はちぐはぐで、もうぼろぼろだった。
それでも俺は願いながら目を閉じる。



(帝人に、会いたい)

























































プルルルルルルルルルル。
携帯の着信音で俺は目を覚ます。
昨日泣いてしまったせいか頭が痛い。
幽が心配してくれて電話してくれたのか。電話をとる。
電話をとりながら、そういえば帝人には会えなかったな、と思う。例え夢でも会いたかった、と思う。
「はいもしもし。」






「あ、静雄さん?」


電話口から聞こえたのは俺の大事なひとのこえだった。
作品名:俺とお前の1日目 作家名:しん