二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

米英詰め合わせ

INDEX|2ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

チョコ味のドーナツ(米一人称)



「よっし、そこだっ!!」
 ベースボールの超展開に興奮して、ポップコーンの入ったバケットを抱え込んだまま、振り上げた左手が、別にわざとじゃないんだけど、ソファの隣でドーナツ食ってたアーサーの肩にモロに当たっちまった。

「おぁっ、」
「ぶふっ!」

 許可した訳ではない俺の隣に勝手にいるコイツが悪いんだから、謝る気は無か
ったけど。
 何か視線がチクチクするし、シカトした事で臍を曲げて妖精さんなんか召喚さ
れた日にはたまったもんじゃない。
 だから、短い説教程度なら受けてやってもいいかなぁ-と。
まぁ仕方なく、なんとなくアーサーの反対に向けていた顔を、ソッチに向けてやったんだけども。

「……ひっはい、ふぁんふぁんはひ? ふぁめりか」

 膝に乗せたドーナツ箱から取り出したうち一つ(しかも俺がいっちばん好きな、チョコにナッツの奴)をくわえて、ねっとりと不機嫌そうに睨んで来たんだ。
 その澄んだ緑の中で、俺といったら、普段、耳にタコが出来るくらい言われてるような、つまりは馬鹿みたく口を開けた顔で写っていて。

 ええと、うん。……仕方ないよなぁ。セオリーは外せないもんなぁ。
 大スペクタクルを謡う映画とか、家族総出で大笑いなコメディとか、お約束に弱いのが俺様だもんな!!

 てな訳で、お約束通りその半分を貰い受け(しかも、ソファの上にクズを零さないように一口だぞ! 偉いだろ?)、ついでに口の端に付いてた残りまで舐め取ってやった、親切な俺な訳なんだが。

「ななななんなんだよ君って奴は!! 日本みたいにTPOとか言わないけどさ
ぁ、せめて常識ってものをだなぁ……!」

 真っ赤な顔したイギリスに、すっごく怒られてんの。何で俺が? 納得行かない!
 しかも、予想とは反してまだまだ続くみたいだったから--

「大体、君っていうのだは……ッ」

 上から唇で塞いで黙らせてやった。二の句が告げないよう、ちゃんと舌まで絡ませてやってね。

 しょうがないよなぁ? お約束だもんな!!

――少なくとも、俺とこいつの間ではね。


その2:

「……ひっはい、ふぁんふぁんはひ? ふぁめりか」

 行儀が悪いよな等と頭の隅で思いながらも、ドーナツくわえたまま、軽い抗議を含めて睨んでやったアルフレッドは、馬鹿みたいに大口あけてこっちを見て来た。

「? ……!」
作品名:米英詰め合わせ 作家名:刻兎 烏