千聖の「千」はち○゛るの「千」?
ついったーお題ss:「攻めが女装して、受けが発情しちゃう、ギャグかつキラキラな作品」
出し物がロミジュリの劇と屋台に決まったClassZ、
しかも、個人個人がコスプレをしてお客さんをもてなすことに。
これはそんなClassZの、屋台開店直前のお話です。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
不破千聖用に、と用意されていたのは浅葱色のダンダラ染めの羽織と鉢金。
しかし、親・龍馬(アンチ・新撰組)の千聖はそれを着ようとはせず、
お得意のむすっとした表情と腕組みで「断固拒否」を貫いていた。
「なぜ俺が坂本龍馬と敵対関係にあった新撰組の隊服を着なければならん」
「千聖くん、そんなこと言わないで、ね?」
「じゃ、アンタが着ればいいだろう」
「私が着ても意味がないでしょ?」
「じゃ、俺が着る理由もない」
そうこうしているうちに、開店はあと20分に迫っている。
たこ焼の生地の仕込みはおろか、タコのブツ切り、葱のみじん切りすらできていなかった。
こうなれば…!!!
苦肉の策として、真奈美+女子生徒一同は、ある服を千聖に着せることにした。
「ちっ…千、聖…くんっ!!!!!!」
今にも零れおちそうなくらい目を大きくまん丸に瞬かせ、
きらきらした視線を千聖に向ける。
「おい、これは一体何なんだ!?」
「袴、だね。普段もさもさの千聖君を、シャキッとしようとみんなで…」
「それはいい!!!なんで…」
なんで…
「女子の袴なんだ!?!?!これだと俺が女装してることになるろ!!!こがな…こがな格こ…ぅ…っ!!!」
お国言葉以前に語尾が不明瞭になるほど(最終的には喉奥から「ヒュゥ」と絶え絶えな息が出るほどだった)激昂する。
「うんっ!!!やっぱり!!!!
可愛いよ!!!!千聖くん!!!!!
薄ピンクの着物に、白っぽい袴!!!まるで、ち○゛るちゃんみたいだよ!!!!
希少な女鬼だよっ!!!そりゃ千景も嫁さんにしたくもなるよ!!!アイツ、ストーカーの一つや二つするよ!!!」
がっつり空気を読まず、真奈美は一人スパークする。
「お前が何を言ーちゅうかわからんっっっ!!!
だいたいわしがこがな格好して、ナーゲットは誰なんだ!!!!」
(※真奈美先生、昂奮のため、突魂も素流もなし)
「ほわぁぁぁ〜、かわいい…」
「だから俺の話を聞けと言っているっ!!」
「可愛い…かぁいいよっ!!!千聖くんっっっ!!!!!
ほら、こっち向いて!!!!」
「なっ…デジカメを向けるな…!!!!」
カシャッカシャッカシャッ
ぴろりろり〜ん♪
「写メも取るな!!!」
「ブレた!!!!!!!!」
「くそっ…こんなちっこい奴、不破流古武術にかかればあっという間なんだが…
いかんせん女に手をあげるのは…ぶつぶつ…。」
写真を撮ることに満足したのか、カメラと携帯をしまい、
(「はあ〜、いっぱい撮った☆」という声は千聖には届いていない)
真奈美はぶつぶつ言いながら千聖を上から下まで舐めるように眺める。
とろん、としたその目が含むもの。
「熱」そして、どこまでも本能に近い「劣情」…。
「ちょっと丈が短いのも、薄ピンクって乙女な色にも、女子にまつ毛をクリンとさせられたのも、183センチの大男が女の子の格好をしているってのに超滾る…これって、今ハヤりの『男の娘』だよね、もう…なんかいっそのことそのキュッと締めている襟をがぁっと剥いでみたい、必死で脱がされまいと襟を掴んで『らめぇぇぇぇぇぇぇ』って叫ぶ千聖君…『男の娘』な千聖くん萌えハァハァ(超早口)」
「ヘンタイだーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」
「千聖くん、ちょっと来てくれるかな…?」
「まさか、とは思うが念のために聞いておく。
ど こ に だ ?」
「えっ…?その…。
校舎裏の…テント…。」
「ヘンタイだーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」(本日二度目)
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助けを求めようにも、嫁さがしに躍起になる天十郎、目立つことに躍起になる八雲・アラタは役に立たず、
その後、イクオとシュージが千聖から真奈美先生をひきはがすことに尽力したとのことです。
作品名:千聖の「千」はち○゛るの「千」? 作家名:みろ