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甘い、甘い。

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会議以外でアーサーと会うのは久しぶりだ。俺のアーサーも自国の仕事が重なって、そんな時間なかった。数ヶ月間メールや電話のみで、アーサーの白い肌とか蜂蜜色の髪の毛とかそれに触れるのもなにもかも久しぶりで。

「フェリシアーノ…」
「ん、なあに?」

アーサーはイタリアに3日間滞在することになっていて、一日目と三日目は家でのんびりしようと計画を立てた。そしてソファに座って隣で紅茶を飲むアーサーの髪を優しく撫でた。くすぐったいのか紅茶をテーブルにおいて俺の手を掴んだ。ちぇ、と口を尖らすと掴んでいない方の指で唇をとんとんと叩かれる。むぅ、誘ってるの?と思ったがアーサーがそんなこと思うはずがない。

「俺の髪触って楽しいのか?」
「えー楽しいよ?」
「ごわごわ、だろ…」

自分を磨くという行為をしていない所為かアーサーの髪は固めだ。ところどころ跳ねているし。でもそんな髪が俺の家に来るとさらさらになるのがもう嬉しいのも事実で!掴まれた腕を軽く捻って解放させてまた髪に手を伸ばす。

「アーサーから良い匂いがするー」
「は、そう…か?」

頬にくっつく髪を鼻に近づけて確かめるアーサーの腰に手を回してわき腹あたりに顔を埋めて、匂いを満喫する。シャンプーやリンスの清潔な匂いに混じって愛用している香水。普通は変な匂いになるだろう組み合わせだというのにアーサーから匂うというそれだけで世界で一番のような気がする。

「フェリシアーノ…!」

自分の大好きなドルチェじゃなくて、彼が好きな紅茶でもない。
心地よくて、大好きな。

「アート」
「…………なんだよ」

俺の体勢がきつくないようにこちらを向いてくれたアートを上目遣いで見上げる。まだスキンシップになれないのか顔を真っ赤にしながらそろそろと首に手を回す。視線を合わせるために体を起こして、ふっくらとした唇に自分の唇を押し当てる。アートはびく、と体を震わしたけれど目を細めて俺に身を委ねた。唇を離して額をくっつけた。

「アート、甘いよ」
「……そりゃあ紅茶飲んでたし」
「うん、甘いね。おれ、甘いの好きだよ」

ドルチェでも紅茶でもなんでもない、その甘さに酔いしれたいよ。




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twitterで募集した甘々伊英。
作品名:甘い、甘い。 作家名:真澄