無題
今日もガゼルの叫び声が部屋に響く。
どうせまたバーンがセクハラまがいの事をしたんだろう、と溜息つきながら僕は円堂くん…じゃなかった守…やっぱり円堂くんのほうがいいかな、名前呼びって結構恥ずかしい…ごほん、円堂君の事を考えていた。
いつの間にか二人の喧嘩というか痴話喧嘩は終わっていて、不思議に思ってそちらに眼をやると、二人が僕の事を汚物でも見るかのようにこちらを見ていた。
「な、なに、二人とも…」
「いや、お前さ…なあ、ガゼル」
「ああ、なんか…」
「気持ち悪い」
二人の声が綺麗にはもった。
わあ、素敵だね。まるではもっているみたいだ!いや、実際はもっているのだけど。
「何が!?」
「だって、お前すっげえニヤニヤしてたから…」
「どうせあの雷門中のキャプテンのことでも考えていたのだろう…気持ち悪いな」
「あれっ、ガゼル!?今なんていった?最後に呟いたよね!僕よく聞こえなかったんだけど!?」
「気持ち悪いと言ったのだ。…頭だけじゃなく耳も悪いのか。手に負えんな」
「あれれ、ガゼルくんは僕に喧嘩を売っているのかな!?かな!?」
「おい、俺のガゼルに触んな変態死ね変態」
「ひ、ひどいよバーン…!!君だっていつもガゼルにセクハラしてるじゃないか!」
「ガゼルが嫌がってねえからいいんだよ」
「いつもノーザンインパクトくらってるじゃない!」
「照れ隠しだよ、な?ガゼル」
ガゼルは何も言わずに、俯く。
…耳まで赤いのは気のせいだろうか。
「ああもう!こんなバカップルに付きあってらんないよ!」
部屋から出ていくと、後ろから会いに行くのか、とか、大胆だな、とか、いろいろ聞こえたけどとりあえず無視。
まも…円堂くんに会いに行こう。
で、帰ってきたらあいつらに流星ブレードをきめよう、と。