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となりの臨也さん・3

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ドゴオッ!!


「がはっ!?」


帝人君と夕飯を食べ、お風呂に入って一緒のベッドで眠りに付いた俺は、強い衝撃音と痛みで眼を覚ます。痛みを堪えながら自分の腹を見ると女の足が乗っていた。



「・・・ちょっと、何寝てんのよ。殺すわよ?」


いい終わるより早く女は乗せたままの足をグリグリと腹に食い込ませてくる。全体重を掛けてるのではないかと思う痛みが俺を襲った。


「・・・っ!ちょ・・・波江さん、痛いって!!」

「馴れ馴れしく呼ばないで頂戴・・・」


スッと腹から足が下りる。
それに安堵した俺はすぐに隣で寝ているはずの彼を確認するが、そこに帝人君はいなかった。顔を上げれば帝人君は母親である波江の腕に抱かれてすやすやと眠っている。天使の寝顔の横に般若の顔・・・。なんて残念な光景。


「帝人なら私の腕の中で眠ってるわ・・・だから早く帰りなさいよ」


うっとりと帝人君を見つめていた眼は、俺を見た瞬間汚らわしいものを蔑むような眼に変わる。この豹変っぷりは面白い、俺の観察対象としては申し分ない性格。なのに今、俺はこの女を観察したいとは思わない。帝人君がいるからだ。
俺は出会ってたった数分の間で帝人君に恋し、数時間かけて愛を育んだ。色々な話を聞いたし、色々な話をしてあげた。晩御飯にかぼちゃのおじやも作ってあげた。帝人君は笑ったり、困ったり、怒ったり、いじけたり・・・様々な表情を見せてくれて、新たな一面を知る度に俺は帝人君をもっともっと好きになった。帝人君も俺のことを好きになってくれている、絶対に、間違いなく。
それなのにこの母親はそれを邪魔しようというのだ・・・。
だから観察なんてしたくない、むしろ今すぐ帝人君を置いて消え去ってくれればいい。母親がいなくなったら帝人君は泣くだろうけど、そんな気持ちは俺が忘れさせてあげよう。
だが、どうしたって今この場では帝人君に完全に気付かれずに母親を消すことは出来ないし、人殺しの罪に染まった手で帝人君に触れたく無い。
俺は仕方なくベッドから立ち上がるとゆっくりと玄関へ向かう。


「あぁ、そうだ。8日からは俺が帝人君を送り迎えするから」


それだけ言い残して帝人君の家を後にする。ドアが閉まる瞬間「なんですって!?」と波江の声が聞こえて俺はなんだか勝ったような気分になった。
8日、とは言ったけど明日もまた会いに来よう。入学式が終わったら即帰って帝人君の家を訪ねるんだ。きっと帝人君は笑顔で出迎えてくれる。
あぁ、早く帰る為にもシズちゃんと喧嘩しないようにしないとね。視界に入るだけで追って来るし、逃げるのに時間が掛かってしまうだろう。ケガなんてしたら帝人君が心配するだろうしね。少なくとも帝人君が天使と見間違えたこの顔だけは死守しなければ・・・。

明日からは高校生。
シズちゃんのせいで黒歴史になりかけた俺の学生時代は、帝人君の存在によって幸せに満ち溢れるだろう。残念ながら中学はすでに黒歴史になってしまったが、高校ではそうはいかない。絶対にシズちゃんなんかには邪魔させない。

そして俺は決意を胸に俺はその日2度目の眠りについた。
作品名:となりの臨也さん・3 作家名:朱羽りん