アーサーの子育て
その焦げ臭いにおいをたどるとキッチンで料理をしているアーサーがいる。
アーサーは俺に気づいて「おはよう」と声をかけてくれた。アーサーは昨日から無駄に広いこの家泊まっているのだ、そのことを思い出して、嬉しくなった。
そのあと洗面所で顔を洗って部屋に戻って服を着て、もう慣れてしまった焦げ臭いにおいをたどってテーブルにつく。
その朝ごはんで一番おいしいとしたら、それはアーサーの拘りの紅茶ぐらい。
ご飯を食べた後は、一緒に歯みがきをして、書類仕事をしているアーサーの隣でその文をたどっていく。
時々アーサーがくれた本を読んで、よく一人で遊んでいる草原にアーサーを連れて遊ぶ
そこで新しくできた友達をおしえてアーサーは昼ごはんを創りに家にもどった。
昼ごはんのパスタはフォークで取れないぐらい湯がいてあった。
ミートソースは、お肉が少なかった。
やっぱり昼ごはんも紅茶が一番おいしいと思った。
昼ごはんを食べ終えてアーサーは皿を洗っている間に、俺は洗面所で歯みがきをした。
キッチンに戻るとアーサーはもう帰ると言う。
「今度はいつ来るの?」
彼は黙ってしまった。
「いつか絶対、会いに来てね」
アーサーは頭を撫でてくれた。血が巡っているのか、本当は死んでいるんじゃないかって思うぐらい冷たい手で頭を撫でてくれた。きっと、さっきまで水を触っていたせいだ。
アーサーは、注意深く俺が出ていったら鍵を閉めるようにと言ってきた。
俺はアーサーが一歩外に出た瞬間、ドアを閉め、鍵を閉めて、すぐ自分の部屋に戻って走って
朝起きると、焦げ臭いにおいが少し残っていた
玄関のドアを開けると遠くに草原が見えた。
キッチンに行くと少し焦げたスコーンがあった。
手を洗ってから少し焦げたスコーンを食べた。
服はそのまま、草原に行く。今日は、誰もいない。
風が吹いて草がゆれた。
風というものを昨日、アーサーに教えてもらった。
今度は、いつ、会えるのだろう。三ヶ月後か、四ヶ月後か、またあの寒い日々を一人で
迎えないと行けない。
冬は嫌いだ
寒い日は、全然外に出ない。草原は、白い雨で覆い被されて、
友だちはどこに行ったのか全然見つからなくて、
アーサーは、来なくなる
いつの間にか、小さな村ができた
いつの間にか、村は大きくなって
いつの間にか、あの草原は無くなっていた
いつの間にか、村は国になった
いつの間にか俺は、大きくなっていた
アーサーは何回か来てくれたけどあの日のように長く居る事は無くなった
「仕事だから」 「用があるから」 「この後に約束を入れているから」
そんなこと、昔から知っている
忙しい中、時間を削ってこっちに来ている事も
だけど…
「アーサー、俺は独立するよ」
そんな事を言うと、アーサーはすごく驚いた顔をした。
そして、すごく反対をしてきた
そのあと、俺とアーサーは喧嘩をした。
結果は俺が勝った。
だけど……
もう少し、居てくれてもいいだろう?
俺はまだ、君に甘えていたいんだ。
みんなより成長が早かったからって、俺はまだ子供なんだ。
なぁ、アーサー…