面白くない、
「んぅ…っ、ふぁ……あ……」
「ふ、…ん…ぅ……っ」
ダラダラと溢れ出る唾液も構わずにアルフレッドの口内を味わう。柔らかな内頬の感触が心地よくて擦りあげると、アルフレッドの肩がピクリと揺れた。気持ちいいんだろうなと重点的にそこを攻めようとしたらアルフレッドの舌に絡め取られて口内から追い出されてしまう。逆に自分の口内に押し込まれ、全く同じように頬の粘液を擦られる。アルフレッドの舌は大きく厚みがあるから少し動きまわられただけで菊の口内の全てを掠め取っていく。若干の息苦しさを感じながらも拙い舌の動きを享受する。上顎を擦る舌の感触にぞわりとしたものを感じながら舌の裏をゆっくり舐めあげると、レンズ越しの瞳がゆらりと揺らめいた。
「う、ん……っ、……はぁ…」
ズルリと口内から出ていく舌を見つめると、短く粘液の糸が引いてすぐに切れた。口の 周りを濡らす多分アルフレッドのものだろう唾液を舌で舐めとるとアルフレッドの顔が歪み、その表情のまま首元に顔を埋められる。ちくりとしか感触にまたしばらくTシャツが着れない生活が始まるなぁと菊は思った。
キスが好きな癖に、アルフレッドはディープキスをすると少し不機嫌だ。菊としては押し倒されてしまうと流されるままになってしまうから、せめてキスぐらいは年上の余裕とか貫禄?のようなものを見せつけたく、ついつい持てる技量をもってしてアルフレッドに奉仕するわけなのだが、これがどうも不評のようだ。自分に技巧が下手だから嫌がられているのではないことは、キス中のアルフレッドの反応や舌を話した後の熱のこもった吐息から分かるのだが。何故アルフレッドがそんな反応をするのか甚だ菊には疑問だった。
(常に積極的になってほしいって、貴方が言ったんですけどね)